星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ヤング ブラック・ジャック」第5話

第5話「ベトナムにて その2」

ドクター・キリコ、初登場。やっぱ、かっこいいわ~。とてもキリコには見えないわ。医者としての使命感に燃えている戦場の軍医って設定が実に美味しい。

アニメを見て、改めて気づいたこととしては、BJ先生がキリコからそのやり方や技術を学んだ。という側面もあるんだなってことで、この世界だと、キリコのほうが年上で先輩だという事実。軍医としての知識も経験もキリコのほうが持ってて、それに比べると、BJ先生は単に医学生だし、まだまだひよっこなのね。その設定がいいなあ。と思った。

なんだか手術の後、二人でお酒飲んで仲良くなっているしね。

あと、藪先生もからめて、いろいろ男たちの世界を構築中。良いですね。

「海街diary」第8巻 恋と巡礼 吉田秋生

コミック6.「海街diary」第8巻 恋と巡礼 吉田秋生 小学館fsコミックス

結婚祝いに鮭ととうもろこしを送ってきたら、それって、そんなに悪いことなんだろうか? と、ちょっと考えてしまった私も、普通の人の感覚とはちょっとずれているのかもしれないな。と思った。

あと、お義父さんを送った経験から言わせてもらえれば、緩和ケア病棟というのは、この漫画に描かれているほど理想的な場所ではなく、体のいい安楽死の場所なんだな、と思っている。「緩和ケア病棟に入ったら、すぐに死んじゃうから!!」と奥さんが反対したと言うが(そう言った奥さんを無知なバカ女として漫画では描いているけど)、実際に、緩和ケア病棟に入ったら、本当にすぐに死にます。きっかり3週間で亡くなるように、まるで計算されていたかのようでした。ただ、望んだのは本人です。それだけ痛みが酷かったということでしょう。

緩和ケア病棟というのは、そういう場所です。私はそう思ってます。

たぶん、この漫画家からすると、もしくは、この漫画に描かれている長女みたいな人間からすると、私はかなりの変人で、一般常識も何もわかってない無知なバカ女という扱いになるんだろうけど、「そういう人って嫌よねえ」と悪口ばかりの会話をしている女たちのほうが、私は嫌いで、そういう一般常識を持った普通の人々の物語として、読まなきゃいけないこの漫画は、やっぱりちょっと苦手だな、と思います。

クリストファー・ノーラン監督 「ダークナイト ライジング」

映画16.クリストファー・ノーラン監督 「ダークナイト ライジング」 (アメリカ・2012)

バットマン」3部作、これにて完結。こうして通しで見ると、物語がきれいにつながっているのがよく分かる。

核の平和利用はありうるのか? というテーマを見せてきたようで、ここまで露骨に、悪人の手に渡ったらどうなるのか? というのを見せられてしまうと、そんなものはないほうがいいよね。消し去るべきだよね。という気分になってきた。使うものの心次第というレベルの話じゃない。

そういう意味で、ブルースが、最終的にバットマンをやることをやめてしまった気持ちがよく分かる。

あと、非常時にいかに警察が役に立つか、頑張っているかがよく見えた。そして、「法が枷になることもある」という話も頷ける。

キャラクター的には、キャットウーマンのお姉さんが、えらいかっこよかった。女の武器を利用するだけ利用して、したたかに相手を出し抜いていく。これはすごい。と思ったことをちょっと書いておこう。

「セブン・イヤーズ・イン・チベット チベットの七年」 ハインリヒ・ハラー

読書2.「セブン・イヤーズ・イン・チベット チベットの七年」 ハインリヒ・ハラー 角川文庫ソフィア

非常に読み応えのあるいい本でした。ヒマラヤ登頂のためにインドに渡った登山家が、戦争が始まったために帰れなくなり、抑留されて、自由を得るために脱走し、安全を求めて中立国チベットを目指したその旅の記録。彼らの旅路は、波乱万丈な上に、チベットという独特な文化の紹介にもなっていて、著者と一緒に異世界を旅した冒険物語を読んでいるような気分になった。

著者が、いかにこの国を愛し、この国で過ごした日々を大切に思っているか、文章から伝わる。この素敵な国が、今でもそのまま平和であればよかったのに、と思わずにはいられない。共産中国の侵略に追い立てられるようにチベットを去らなければならなかったラストには、その無念さも伝わってきたし、同じ思いを読んでいるこちらも感じたように思う。

「アトム ザ・ビギニング」第5巻 原案:手塚治虫 コンセプトワークス:ゆうきまさみ 漫画:カサハラテツロー

コミック5.「アトム ザ・ビギニング」第5巻 原案:手塚治虫 コンセプトワークス:ゆうきまさみ 漫画:カサハラテツロー 小学館ヒーローズコミックス

順調に面白い。ロボコンにあえてユウランが出場するというのは、もとの「鉄腕アトム」にもあったエピソードから持ってきているんだろうな、というのは、分かった。そういうところが、手塚ファン及びもとの鉄腕アトムファン向けなんだろう。知らなくてもストーリーを見る上で問題ないけど、知っているとちょっと嬉しいという感じで。

たしかに、ウランちゃんは、あれで、結構、好戦的で過激な性格だったなあ。と思う。「アトム」にはそんなに詳しくはないんだけれど、改めて、そういう部分を突きつけられた感じ。

対象的に、第1研究室で作っているロボットというのが、美少女型3人娘というのはいかにも現代の日本的で、それを皮肉った感じがする。

「それは歌って踊れる従順な美少女型ロボットが、お金になるからよ」印象に残ったセリフをあえてメモ。

「クジラの子らは砂上に歌う」第1、2巻 梅田阿比

コミック3.「クジラの子らは砂上に歌う」第1巻 梅田阿比 秋田書店ボニータコミックス

コミック4.「クジラの子らは砂上に歌う」第2巻 梅田阿比 秋田書店ボニータコミックス

砂の海に浮かぶ泥クジラ。クジラの上での生活が、僕達の世界の全てだった。という設定だけで、なんだかいいなあ。と思う。どことなく、終末感の漂う設定は、「風の谷のナウシカ」風味で、紋様を浮かべる念動力を使う辺りも、どこかそれっぽい感じ。

私が知らないだけかも知らないけど、こういう独特のセンスのファンタジー漫画ってよくありそうで、なかなかなかった気もする。

泥クジラが島に近づいて、そこに女の子が一人だけいた。という物語の流れもオーソドックスだし、やがて、描かれていく外の世界からの訪問者と行われる大量殺戮。大人たちが隠していた泥クジラの秘密が徐々に明らかになって。と、目を離せない展開が続いていく。

思っていたほど、物語が甘くなくて、容赦ない所が良いと思った。気に入ったので、続きも見ていきたいと思います。

「ヤング ブラック・ジャック」第4話

第4話「ベトナムにて その1」

順調に面白い。ベトナム戦争を描かせると、高橋良輔班の本領発揮という感じがする。戦場カメラマンネタが好きだったみたいだし。

あえて危険な地に飛ぶ間くんだけど、そんなに藪先生が好きなのか~ってあたり、なぜそんなに? どうやって知り合ったの? と、そっちの方に興味が行きますね。

カメラマン役に日本人(ひもとひとし)を持ってきているのが、通好みの設定。

あと、ベトナムのゲリラ兵にバンダカが混じっているのがそれっぽくて良いなあ。と思った。たぶん、これは原作通りなんだと思うけど、この作品は、そういう手塚スターシステムをうまく使っているところが好き。