星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

読書

「海うそ」 梨木香歩

読書37.「海うそ」 梨木香歩 岩波現代文庫 物語の舞台となっている遅島は、解説によると架空の島らしいが、それにしては、設定の描きこみがすごくて、島の地形や動植物の分布、住人の歴史、風俗、昭和初期の暮らしぶりがあまりに丁寧につづられているので、…

「ピスタチオ」 梨木香歩

読書36.「ピスタチオ」 梨木香歩 ちくま文庫 不思議な構成の物語。アフリカの民話や呪術の話が挟まれるが、「ダバが体の中に入っているから、体がだるくなる。何をする気にもならなくなる。体の中にあるすべてのものを排泄したがる」というその原因と症状を…

「東南アジア全鉄道制覇の旅 インドネシア・マレーシア・ベトナム・カンボジア編」 下川裕治

読書35.「東南アジア全鉄道制覇の旅 インドネシア・マレーシア・ベトナム・カンボジア編」 下川裕治 双葉文庫 東南アジア全鉄道制覇の旅・後編。こうしてみると、鉄道についての考え方は、国によって違うんだなあ。というのがわかる。日本のようにきちんきち…

「ペンギン・ハイウェイ」 森見登美彦

読書34.「ペンギン・ハイウェイ」 森見登美彦 角川文庫 映画版は視聴済み。ネタバレ全開で書くので、映画や原作小説を未見、未読の人は、注意してください。 世界のほころびが修復されると、結び目だった人物がいなくなるという設定のSFを、萩尾望都の漫画…

「大正デモクラシー シリーズ日本近現代史④」 成田龍一

読書33.「大正デモクラシー シリーズ日本近現代史④」 成田龍一 岩波新書 勉強しようと思って、以前、五巻までをまとめ買いしたので、せっかくだから読み続けているが、挫折寸前ですよ。このシリーズは、どれも、文章が固くて、読めない。読みづらい。めちゃ…

「西蔵放浪」 藤原新也

読書32.「西蔵放浪」 藤原新也 朝日文庫 分厚い本だったけど、何とか読了。妙に詩的な文章で、いちいち言い回しが気取っている。たぶん、それが魅力なんだと思うが。 地球上を旅することは、タイムスリップを経験することと同じだと冒頭に書かれていたが、こ…

「海辺のカフカ」下巻 村上春樹

読書31.「海辺のカフカ」下巻 村上春樹 新潮文庫 星野さんは、めちゃ、いい人だなあ。と思った。もう、これ以上、余計な感想はいらないんじゃないってくらい。 主人公がたどり着く、森の中の街は、「世界の終り」の街に似ているし、死んだナカタさんの口から…

「鉄路2万7千キロ 世界の「超」長距離列車を乗りつぶす」 下川裕治

読書30.「鉄路2万7千キロ 世界の「超」長距離列車を乗りつぶす」 下川裕治 新潮文庫 世界の長距離列車にとにかく乗ってみようという企画で、今回の旅は、インド、中国、ロシア、カナダ、アメリカと続く。 人口過密のインドの列車が無茶な詰め込み方で、出…

「海辺のカフカ」上巻 村上春樹

読書29.「海辺のカフカ」上巻 村上春樹 新潮文庫 またしても、二つの物語が同時進行で描かれるみたいだけど、これはこの作家の癖なのか? ほかの作品もみんな同じ構成なのか? それとも、私が連続で読んでいる「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」…

「不思議な羅針盤」 梨木香歩

読書28.「不思議な羅針盤」 梨木香歩 新潮文庫 タイトルが「不思議な羅針盤」だし、表紙が白鳥の群れの写真だったので、てっきり、また渡り鳥をテーマにしたエッセイ集かと思ったんだけれど、読んでみたら、全然違った。 庭に咲く花を見たときや、いただいた…

「日清・日露戦争 シリーズ日本近現代史③」 原田敬一

読書27.「日清・日露戦争 シリーズ日本近現代史③」 原田敬一 岩波新書 勉強しようと思って読んでみたけれど、難しかった。文章が固くて、読みづらいことこの上ない。 日清・日露戦争というタイトルがついている割に、戦争についての記述は少なく、議会がどう…

「1Q84 BOOK3 <10月ー12月>」後編 村上春樹

読書26.「1Q84 BOOK3 <10月ー12月>」後編 村上春樹 新潮文庫 一見、めでたしめでたしのように見えるが、個人的には、牛河さんが気の毒で、なんとも・・・。結果的に彼は、恋人たちの橋渡しをすることになったわけで、牛河さんがいなければ、青豆と天吾って…

「1Q84 BOOK3 <10月ー12月>」前編 村上春樹

読書25.「1Q84 BOOK3 <10月ー12月>」前編 村上春樹 新潮文庫 エネーチケーの集金人が怖い。本当にこんな風にドアをどんどんノックしたり、怒鳴ったりするのだろうか? どこかホラーじみた書き方だなあ。と思う。その一方で、集金の仕事って、本当に大変だ…

「1Q84 BOOK2 <7月ー9月>」後編 村上春樹

読書24.「1Q84 BOOK2 <7月ー9月>」後編 村上春樹 新潮文庫 なんだかすれ違いラブストーリーの体裁まで呈してきた。両想いなのに、会いたいのに会えない二人・・・みたいな感じ? すぐそばにいるのに・・・。最終的にハッピーエンドになるのかしら? どうな…

「1Q84 BOOK2 <7月ー9月>」前編 村上春樹

読書23.「1Q84 BOOK2 <7月ー9月>」前編 村上春樹 新潮文庫 順調に面白い。この物語は、こちらをどこへ連れて行こうとしているんだろう? というのが気になって仕方がない。ようやく、天吾と青豆のつながりがはっきりとした言葉で表されるようになった。青…

「1Q84 BOOK1 <4月ー6月>」後編 村上春樹

読書22.「1Q84 BOOK1 <4月ー6月>」後編 村上春樹 新潮文庫 2巻目に入って、いろんな設定が新たに明らかになってきた。オウム真理教を思わせる宗教団体が背景にあるみたいで、主人公たちが戦わなきゃいけない敵…みたいな連想をさせられるが、さて。 天吾の…

「1Q84 BOOK1 <4月ー6月>」前編 村上春樹

読書21.「1Q84 BOOK1 <4月ー6月>」前編 村上春樹 新潮文庫 この作品も「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」同様に、二つの物語が同時進行で語られる形式を持っているが、「世界の終わり」ほどファンタジー要素は強くなく、その世界は、かなり…

「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」下巻 村上春樹

読書20.「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」下巻 村上春樹 新潮文庫 やみくろが住む東京の地下を探検する冒険物語と、壁に囲まれた世界で一角獣の頭骨から古い夢を読む仕事をする物語。2つの世界が交錯して、交互に語られていくわけだけれど、…

「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」上巻 村上春樹

読書19.「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」上巻 村上春樹 新潮文庫 有名タイトルだけど、実は未読で、初めて読みました。で、村上春樹がファンタジー作家だったということを初めて知った。昔、「ノルウェイの森」だけ読んだことがあって、あ…

「民権と憲法 シリーズ日本近現代史②」 牧原憲夫

読書18.「民権と憲法 シリーズ日本近現代史②」 牧原憲夫 岩波新書 明治時代、勉強中。なんとなくわかってきたのは、明治維新を経て、江戸時代とはすっかりやり方が変わってしまった庶民の混乱ぶり。 本来、なあなあで済ませていたことですら、きちんと制度と…

「一九八四年」 ジョージ・オーウェル

読書17.「一九八四年」 ジョージ・オーウェル ハヤカワ文庫 旧訳版を読みました。古本屋で安かったので、まあ、旧訳でも新訳でも中身は一緒だろう。と、軽く考えていたんだけれど、読んでみたら、とんでもなかった。出てくる単語や言葉が難しくて、さらに、…

「それからの海舟」 半藤一利

読書16.「それからの海舟」 半藤一利 ちくま文庫 明治の勝海舟を描いたということで、期待していた割に、幕末の話が結構長かったのと、筆者の勝海舟びいき、薩長嫌いがあまりに鼻について、仮にも後世の歴史家がこんなに偏っていていいのかと? 少なくとも、…

「週末ちょっとディープなベトナム旅」 下川裕治

読書15.「週末ちょっとディープなベトナム旅」 下川裕治 朝日文庫 ベトナムとカンボジアを旅した記録。高度経済成長の著しい両国の様子を丁寧に描いてくれた。特に電気も通っていないようなカンボジアの小さな村に、道路が通り、工場が作られ、収入が増えて…

「日本の決断 あなたは何を選びますか?」 池上彰

読書14.「日本の決断 あなたは何を選びますか?」 池上彰 角川oneテーマ21 多少なり、印象操作があるというか、自分の意見のほうに読者を無理やり引っ張り込もうとしているような感じを受けたので、全面的に賛同はしない。あと、2013年発行の本なので、…

「坂の上の雲」第8巻 司馬遼太郎

読書13.「坂の上の雲」第8巻 司馬遼太郎 文春文庫 これにて、全8巻、読了しました。本編を読み終わった後、あとがきが何種類もあるので、そっちを読むのに時間を取られたのが難点だったけれど、あとがきはあとがきで面白かったし、勉強にもなったから、まあ…

「日本の選択 あなたはどちらを選びますか? 先送りできない日本2」 池上彰

読書12.「日本の選択 あなたはどちらを選びますか? 先送りできない日本2」 池上彰 角川oneテーマ21 2012年発行の本なので、情報としてはちょっと古い。これからの日本はこうなるだろうという著者の予測は、あんまり当たっているようには見えないし、ち…

「村田エフェンディ滞土録」 梨木香歩

読書11.「村田エフェンディ滞土録」 梨木香歩 角川文庫 「考えてみれば、この世界も全体、だだっ広い合同教会と承知しておくのがよろしかろう。要するに雑居なのだ。それを思えば、滞りなく物事が運ぶ、ということが期待できぬのも当たり前だ」なるほどと思…

「冬虫夏草」 梨木香歩

読書10.「冬虫夏草」 梨木香歩 新潮文庫 「家守奇譚」続編。「家守」のほうは、文字通り、家を守る話だったから、家を中心にその周辺で起きた出来事という感じだったけれど、今回は、主人公が旅に出る話だから、少し、その土地を離れて、鈴鹿の山々と山村を…

「坂の上の雲」第7巻 司馬遼太郎

読書9.「坂の上の雲」第7巻 司馬遼太郎 文春文庫 アジアに進出した欧米人にとっては、アジア人種というのは、よほど得体のしれない不気味な人々といった印象があったのかもしれない。少なくとも、この本に描かれる限り、ロシア人は、よほど日本人が怖かった…

「先送りできない日本 "第二の焼け跡”からの再出発」 池上彰

読書8.「先送りできない日本 "第二の焼け跡”からの再出発」 池上彰 角川oneテーマ21 2011年発行の本なので、情報としてはやや古いが、日本が抱えている種々の問題を丁寧に解説してくれた。個人的には、農業の保護とTPPの話が興味深かったです。