星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「手塚治虫の奇妙な資料」野口文雄

最近「手塚治虫の奇妙な資料」という本が発売になったのだけど、その本の中の記述の一部がちょっとばかり気になって・・・。

その昔、私が中学生だった頃、NHKのラジオドラマで「火の鳥・乱世編」が放送されたことがある。その最終回放映時に特別ゲストとして手塚先生が出演し、いろいろ「火の鳥」のことを喋ったんですよね。

その時「次の「火の鳥」は、21世紀を舞台にして鉄腕アトムと共演することになるかも知れない」という話をされたのだ。
それで、私はそれ以来、ずっと待っていて、大学の時に「太陽編」の連載が始まったとき「あれ? アトムの時代じゃないや」と少なからずがっかりしたのだ。

手塚先生が亡くなったのはその直後だから、「火の鳥」は結局「太陽編」までしか発表されていないし、「アトム編」は結局幻の作品になっている。それは仕方がない。

ところが、最近出たこの本の中に「自分の推測だが、手塚先生がアトム編の構想を立てたのは太陽編執筆中か、その直前ぐらいだろうと思う」と書いてあったのだ。

え〜!! それは違うよ! それよりもっとずっとずっと前だよ!!

と思ったんだけど、「まあ、この作者も推測に過ぎないときっぱり書いてあるんだし、たいした問題じゃないや・・」と忘れようと思っていたのだ。

にも関わらず、昨日届いたファンクラブの会誌に(ファンからの投書だけど)この本が紹介されて、「ここに書かれている記述は正しいと思えます」と書いてあるから、私の気持ちとしては、ああああ〜違うのに〜!!

だから、こういう資料本、評論本の類を読む場合、気をつけなくてはいけないのは、「そこに書かれていることには、執筆者の思いこみがかなり入っている」という事実なのだ。

読者の方もそれがわかっていれば問題がないのだけれど、人によっては「本に書かれていたんだから」と鵜呑みにしちゃうから、それが一番怖い。

だからね。文章は常に疑ってかかることが大切なのだ。
私が書いている内容も、しょせんは私の思いこみなのでご注意を。信じている人もいないかな?(^^)