星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「機動武闘伝Gガンダム」第9話

第9話「強敵!英雄チャップマンの挑戦」

「勝負とは非情なものだ。勝つ者がいれば、必ず負ける者がいる」(チャップマンのセリフ。3回くり返し)
「男は、負けたときのことなんか考えないものさ」(ドモンのセリフ。2回くり返し)

この二つのセリフが、あるいは今回のキーワードかも知れません。チャップマンとドモンの二人の年齢差を感じさせます。

チャップマンとマノンの夫婦を見ていると、ランバ・ラルとハモン夫妻が浮かぶんだけど、どうだろう?(ファンの人が怒るだろうか?)
主人公の前に立ちふさがり、「大人の男」としての立場から、彼らを諭し、導く役割をはたしているところがなんとなく似ているような気がします。夫に献身的に尽くす妻としての立場も似ているし・・。

特にこの二人は、ファイターとしての末路を語る上で、将来のドモンとレインを暗示して見せたとも言えるんですね。
「負けたときのことを考えない」ドモンも、いつか負けるときが来るだろう。チャップマンがそうだったように。若いときは力任せに突っ走ることも可能だけど、老いには決して勝てないから。
(この場合の「負ける」は、広い意味で捉えてください。単なる勝負の負けでも「まだ次がある!」という気迫に満ちている間は、本当に負けたことにはならないのだから。
本当の敗北とはつまり「もう勝てないかも知れない」と自らが認め、薬に頼るようになった瞬間を指すのです)

夫のために卑怯な手を使い、何とか助けようとした女の愛を否定はできない。チャップマンはそれを知ってて受け入れた男だし、その度量の深さは計り知れない。そんな人でも、負けるときは来るのだ。
それでも、ボロボロになりつつも勝負への未練を断ち切れずに、最後までファイターとして闘った姿は、見ているこちらの胸に迫ります。

【補足】
だからこそ・・。後半での再登場は、許せないものがあるんだよなあ。この話がよかっただけに。