星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「スパイラル推理の絆」第1,2巻 城平京・水野英多

■「スパイラル〜推理の絆〜」第1,2巻 作/城平京 作画/水野英多 エニックスガンガンコミックス

うちのダンナがあまりに「すごいすごい」とほめるものだから、半信半疑で読んでみたんだけど、なるほど。確かにこれは「ガンガン」だから・・と侮れない内容かもしれない。この場合は、ガンガン版の「ジョジョ」なんですね。

要するに「頭脳勝負」「知恵比べ」の域で物語を進めるんだわ。「観察力」「洞察力」が勝負の決め手になる。

「知恵と勇気と運で決まる!」と登場人物のセリフにもあるけれど、何事に置いても、結局、その3つがすべてを決めるのかもしれない。そして、勝ちたければ、それらを手に入れることだ。

1巻目を読んだときは、「うーん?」という感じで評価も低かったんだけど(この程度の推理では「コナン」に勝てまいと思った)2巻目では、推理の方法を変えてきたし、方向性としては間違っていないと思う。

そして、物語のメインである「兄を越えろ!」というテーマは、やたらつまらない劣等感に縛られがちになる私にも必要なテーマかもしれないな・・と思わされたのだった。

しまったなあ。「十二国記」じゃなくて「スパイラル」の方を見るべきだったか・・・。しかし、後悔してももう遅い。どっちももう最終回じゃないか・・・。ううう〜。(><)

【追記】
「鳴海さんはお兄さんのことが嫌いなんですか?」と聞かれた主人公が、「俺は兄貴を尊敬してるよ」と答えるシーンが印象に残った。「兄貴は何でもできて・・いろんな事を知っていて・・」そう答えたときの彼の表情が、どちらかと言えば誇らしげに見えるから。(アニメでこのシーンをどう描いたのか興味があるなあ)
「おまえは兄には絶対にかなわない。おまえは永遠に敗北者だよ」と告げられて、しかも、自分でもそれを必要以上に意識して「どんなに一生懸命になっても俺は兄貴にはかなわない」と言っているのに、それでも・・。

「尊敬してるよ」という言葉が出てくるところが、好きかな。劣等感を抱える者とは、そういうものなんだと的確に表してくれたからね。