星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

出崎統監督「AIR」

7.出崎統監督「AIR」(日本・05)

監督・・・原作のゲームぐらいやろうよ・・・。やってくださいよ・・・。。。(><)。。

・・・なんだかまあ、すごいものを見ちゃった・・・という感じです。キャラクターは違うは、お話は違うは、致命的なのは作品のテーマまで違うぞ。
原作ゲームの設定だけをランダムに取り出して、変な風につなぎ合わせた、完全な別作品ですね。

一番気になったのは、往人さんをやさぐれた矢吹丈にしちゃったことかな? 監督はゲームに絶対に偏見と誤解があるぞ。ゲームのプレイヤーなんて、どうせこんなもんだろ? という誤解があるような気がする。せっかくの緑川がもったいない。あんな後ろ向きの考え方は、往人さんじゃないんだよなあ。

ここから先は、ゲームを未プレイの人にはネタバレです。映画には入っていないネタですのでアニメだけの視聴の方は注意してください。
<font color="white">
やっぱね、往人さんは、カラスにならなきゃいけないと思うんだよ!! それをはしょってしまうと、物語が全く別物になる。

彼は観鈴を、彼の持つ法力の全てをかけて、助けようとしなければならない。そのために、人間でいられなくなって、全てを忘れることになっても、彼は観鈴のためにやれるだけのことを全てやった。「AIR」という作品が感動的なのは、やはり登場人物の全てが、そこまでやるからだと思うんだよね。

つらい設定に負けずに、自分の出来ることを精一杯、必要なら命を賭けてやり遂げる。やり遂げようとする物語。現実から目を背けて、逃げていちゃダメだって・・・そういう話だったと思うんだよ。

観鈴と往人はそれをやり遂げたし、晴子さんもそれに気づいた。だから、最後は、笑って、飛べない鳥であるプレイヤーたちに語りかける。
「ここまで観てきたあなた自身は、そこにいていいの?」
そして、この物語を、子供たちに伝えるように語りかける。これはとても大切なことだって・・。

この映画が失敗しているのは、観鈴の努力にもかかわらず、往人も晴子もそうした前向きな気持ちにはなっていないように見えるからだ。音楽だけ「ゴール」しても仕方がなかろう。結局、旅の目的まで失った往人さんが、電車に乗ってどこへ向かうのか? ずいぶん、後ろ向きの暗い作品になってしまったようで、それが一番もったいないと思う。
</font>
とにかく、残念です。

http://www.air2004.com/