星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「高橋留美子傑作集 赤い花束」 高橋留美子

コミック52.「高橋留美子傑作集 赤い花束」 高橋留美子 小学館ビッグコミックススペシャ

面白かったです。前々から高橋留美子の作品では、少年誌のものよりもビッグコミック系に掲載されるこういう大人向けの短編の方が好きでした。

特に働くお父さんの立場から家族を見た場合の悲哀の物語が多かったのに泣けます・・。うう、苦労しているんだね、お父さん・・・という感じで、笑えるギャグ展開の中に限りない哀愁が漂っていて、なんだかその気持ちがよくわかります。

一方で、愚痴を聞いてくれない(言ってもわかってくれない)ダンナへの不満を抱えた主婦の気持ち、お義母さんに気を使って、勧められるまま団子だのまんじゅうだのを勧められ、上手く断れないお嫁さんの立場もすごく共感できました。どこのダンナさん、どこのお義母さんも、やはりそんなものですかね。

そういう風にどの登場人物に対しても、「ああ、この気持ちわかるなあ」という感覚で読んでいって、最後にほろりとさせられる物語になっているところが、なんとなく宮部みゆきの書く物語に近いなあ・・・と思わされました。心理表現が見事なんですね。

家族の問題を扱っていて、各短編にいろんな親子の形が見えるので、そう言うテーマに興味のある方にはオススメです。感動できると思います。

<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091847242/seiseikai-22/ref=nosim" target="_blank" class="ausgangsoft"><img src="http://rcm-images.amazon.com/images/P/4091847242.09.MZZZZZZZ.jpg" border="0" width="115" height="160"></a>