星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「フタコイ オルタナティブ」最終話

最終話「3人でいたい」

♪夢の向こうへ一気に走れと、悩める昨日を吹っ切り、笑いあおう・・・。

きれいにまとまって終わりましたね。いい話でした。

簡単にテーマを要約してしまえば、「諦念からの脱却」ということになるんだろうけど、「親父にはかなわない」という部分から生まれた恋太郎の劣等感が、守るべき家族(双子)との出会いから解消されていき、やがて彼女たちを守るために戦っていく男の物語として完結していく形です。

脚本が特に素晴らしくって、物語の流れの中にいろんな作品のパロディを盛りだくさんに詰め込んで、これでもか! とサービスしてくれました。

「何やってんだろ、俺・・・」という想いを抱えていた恋太郎の気持ちが伝わった分だけ、双子を必死に守ろうとした彼の思いが感動的でした。

個人的には、沙羅ちゃんの「恋太郎には双樹がいるじゃない! 私のことなんか、もうどうでもいいでしょ!」という叫びが切なくて、だからこそ、彼女の手を離さずに、抱きしめて守ってくれた恋太郎の姿に泣けました。恋太郎は、決して双子を見捨てたりしなかった・・・という部分がすごくいい。

あえて難点をあげるなら、これは所詮は「夢の世界」なんだよ、というアニメの限界もここで示されちゃったことでしょうね。恋太郎が双子を守り得たのは、アニメ的パロディワールドの中だけであって、その外に出てしまうと結局は「貯金もないのに・・・」という厳しい現実が待っているわけで、その辺を物語は完全にスルーしちゃっているということ。これが物語世界の限界なんだと思う。

ニコタマ」は所詮は「夢の町」に過ぎなくて、あるいは、それを示すためにスタッフは、あえてラストシーンに桜の木を置いたのかも知れません。

ちなみに、最終回まで見て、もう一度第1話に戻ると、物語がきれいにつながっていることがわかります。物語の導き手であったららちゃんとるるちゃんのお話に戻ってくるわけだから。これは、ららちゃんとるるちゃんがイカファイヤー(諦念)と戦う話だった・・・と。

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