星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

杉井ギサブロー監督「あらしのよるに」

映画24.杉井ギサブロー監督「あらしのよるに」 (日本・05)

試写会に行って来ました。原作は全部読んでます。

・・・で。結論から言えば、前半はよかったんだけど、後半が全然ダメだった。後半の展開は、濁流に溺れて死んだメイの見ている夢でしかない。子ども向けのアニメとして、ちょっとどうかと思う。

ストーリーはほぼ原作通りなんだけど、原作でもつい最近、付け足しのような続編が出ちゃって、アニメもその通りの展開で進んでいくんだけど、これがどう見ても蛇足。やっぱり「あらしのよるに」シリーズは「ふぶきのあした」で終わるべきだったんだなあ・・・とつくづく思った。あの二人はやっぱ死ななきゃダメなのよ。

監督インタビューの「あの二人は死んでおしまいというやり方じゃダメだと思った」という部分も読んでみたけど、そりゃ監督の方が考え違いをしていると思いますね。彼らは死んでしまうからこそ、「どうしてこんなことになってしまったのか?」という問いかけが生きてくるんであって、彼らを追いつめた群れの仲間に反省すべき点はなかったのか、考えさせられる物語になるんだと思う。

山の向こうに緑の森があるなんてのは、そもそも現実逃避の先の幻想に過ぎない。そこで今度こそ二人は幸せに暮らしました・・・というのは、やっぱ子供だましですよ。

前半に関しては、結構、泣きながら見ていたんだけどね。ガブがいい奴だなあって、感心しながら見ていた。あと、メイ役の声優さんは、なんか中途半端に女っぽい声なのがいい味になって、なかなかよかったと思います。

期待が大きかっただけに、こんな形で中途半端にまとまってしまったのは、非常に残念でした。

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