星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「雪の女王」第30話

第30話「山賊の掟」

母娘関係の異様さを強調するのが、今回の話のメインテーマかな? どう譲っても娘に甘すぎる母親は、娘がかわいいのはわかるがいくらなんでも過保護すぎ。娘の方がそんな母親にいらだっている気持ちがよくわかる。

忙しい父親が不在の家庭が多い中で、母親と子どもの結びつきが必要以上に強化されている昨今、その部分を考えさせてくれるテーマを持ってきたのは正しいと思います。この物語は、娘より母親の方が見るべきでしょう。

掟を破って、罪を犯したのは娘なのに、それを叱ったり罰したりすることなしに、「お前は何も心配しなくていいんだよ。絶対お前だけは助けてあげるからね」として、ただ安全な場所にだけ閉じこめようとする母親の愛は間違っていると思う。

本来なら、母親こそが彼女をきちんと叱って罰するべきだ。それをやらないから、娘の方に「自分が悪いことをした」という罪悪感だけが残って、彼女は自分の罪の意識をどこへやればいいのかわからなくなってしまう。そこが母親への必要以上に強い反発になるんですね。
「母さんの言うことなんか、絶対聞いてやるもんか!」という苛立ちがよくわかります。あるいは普段からそういう思いがつのっていたからこそ、彼女は母親の言いつけにそむいて禁断の実を食べたのかも知れないし・・・。

「罪の意識」を持つものに対しては、あえて厳しく叱ってやる方が、返って彼女を助けることになる。なまじ、叱らなきゃいけないときに叱らずに、甘やかして助けるから、それが逆に本人を苦しめることになる。

だから彼女はガイオンに対して、「私に厳しい処分を!」と自ら望んだんでしょう。その姿がなんだか痛々しくて悲しかったです。

この先どうなるのかはわからないけど、あるいは、ガイオンとアマンダが仲直りして、新たな家族関係が成立するようなハッピーエンドにならないかな・・・と期待してます。でないと、フリーダがかわいそうだしね。

次回は来年だそうで、続きも楽しみです。

とりあえず、アマンダ側が赤、ガイオン側が青に色分けされているのが面白かったな。あと、道化師のギルバートがかわいかったことはちょっとメモ。