星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「手塚治虫の奇妙な世界」 石上三登志

小説・一般6.「手塚治虫の奇妙な世界」 石上三登志 学陽文庫

筆者が後書きにて、「これは手塚先生へのラブレターです」と書いているんだけど、読んでいて私もそう思った。うん。ラブレターだ。手塚先生への愛がものすごく伝わってきて、読んでいて、ものすごく恥ずかしいかも?(^^);

自分の経験を軸にして、いかにして少年の自分が手塚漫画にはまっていったか・・・と言う話の流れで書いていて、どういう部分が好きだったのか、丁寧に分析してある形。昭和20年代の空気は、戦後20年たってから生まれた私の世代にはよくわからないので、参考になったのは確か。

昔の手塚漫画が、やたらタイトルに英語を入れたがっているのも、あの時代のアメリカコンプレックスからくるものなのか〜と思った。敗戦直後なんだから、もっとアメリカに対しては厳しい目を向けているのかと思ったんだけど、そうでもなく、ごく自然に英語はかっこいい〜と思える要素が、当時の子供にあったと言うことなのかな。

内容的には取り上げている作品群が昭和20年代、30年代の作品ばかりなので、私が読むにはちょっと難しかったのも事実。私も手塚ファンだけど、そこまで初期の作品すべてに精通しているわけでもありませんから。
昭和20年代の作品になっちゃうと、かろうじて、SF3部作と「ロック冒険記」「新世界ルルー」がわかる程度だしね。あと「ジャングル大帝」もそうか。

ところで、この本を読みながら一つ発見した。アトムの本名だけど、もともと天馬博士の息子の飛雄くんがアトムの母体で、続けて書くと天馬飛雄になる。で、馬の字を一番後ろに持ってくると、天飛雄馬。天を星に変えれば、星飛雄馬になる。

これを見つけたとき、すごく大発見をしたような気分になったんだけど、もしかして、「巨人の星」のファンの間では常識かな?