星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「山へ行く」 萩尾望都

コミック12.「山へ行く」 萩尾望都 小学館FSコミックス

萩尾先生の久々のSF短編集。一見して日常ほのぼのSFという感じなんだけれど、ほのぼのの中にさりげに毒が入っているところが、面白かった。

個人的に、一番気に入ったのは「くろいひつじ」かもしれない。音楽一家のほのぼのストーリーかと思っていたのに、ラストの落ちが手厳しかったので。これが一番、気持ちが伝わった。

あと「ゆれる世界」と「宇宙船運転免許証」とかが好きです。なんとなく、星新一のSFショートショートのような雰囲気。

しかし、本屋で見かけたとき、とっさに萩尾望都の新作だとわからなかったのが残念。あれ? 似ている・・・? ぐらいに思っただけで、危うく、見過ごすところだった。

SF短編集だと言うことにも表紙を見ただけじゃ全然、気づかないじゃないですか。「山へ行く」というタイトルよりも、「ここではないどこか」という短編集の名前を表に出して、もうちょい華やかにした方がよかったんじゃないかという気がするんですけど・・・。

売る気がないのか? 小学館・・・。それとも、みんな、そんなに山へ行きたいのかな〜??