小説・一般28.「非Aの傀儡」 A・E・ヴァン・ヴォクト 創元SF文庫
前作の「非Aの世界」よりは、ずっと読みやすくて、面白かった。こちらは、戦いが銀河系規模にまで発展するし、「相似化」という方式で、何万光年も一気に瞬間移動してしまうのは、読んでいても、迫力がある。
あと、他人の身体の中に意識だけが入り込んでしまって、そこから出られなくなり、その間、本人の身体は気絶しているという、その辺の緊張感も面白かった。自分の中に他人が入り込むというSF設定も面白いし、そうやって、虚弱な人間の意志を主人公が特訓して操ってしまうのも面白かった。
訓練次第でそんなに強い意志が持てるのなら、私もそれやりたいよなあ、と思った。
そうやって、主人公があちこちに意識だけを飛ばして、移動するのも、誰がそうやって移動させているのか? という謎解きも含めて、結構、わくわくしながら読まされた感じです。
「将棋の指し手」という表現が何度か出てくるけど、原作ではやっぱりチェスなんだろうなあ、と思う。主人公の名前がギルバートなのがどうにも引っかかるんだけど、某議長の名前と同じなのは偶然か? わざとか? 考え過ぎか?