星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「赤毛のアン」 ルーシー・M・モンゴメリ

小説・一般38.「赤毛のアン」 ルーシー・M・モンゴメリ 新潮文庫

先日のアニメ版再放送を見て以来、原作を読みたくて仕方がなかったんだけれど、ちょうど今、出版100年企画とかで、原作のシリーズが全巻そろって本屋に並んでいる。これを読まない手はない。もともと、「アン」シリーズを全巻読破してみたいというのは、小学生の頃から思っていた夢だったのだ。

一応、「赤毛のアン」自体は、小学生の時に子供向けの簡略版を読んでいて、本当はそのまま続けて続編も読めば良かったんだけれど、それは機会を逃したまま。そのまま年齢が過ぎて、ある程度大人になっちゃうと、自分の中に「いい年をして児童文学なんか読むのは恥ずかしい・・・」という意識が出ちゃうもので、今まで手をつけずにいたんだが、ここ数年はやたら平気で児童文学を読んでいるのは、そういう恥ずかしいという意識がだいぶ飛んじゃって、年取った分だけ開き直り精神が出てきた感じかな。いいじゃん、いいじゃん。人生、もう、そう長く生きられるとは限らないんだから、気にしないで好きな本を読もうよ・・・という感じ。

実際、「赤毛のアン」は今の年齢で読んでも、十分に面白い。むしろ、マリラやマシュウの年齢に近くなってから読んだ方が、彼らの気持ちに共感できると思った。

子育てなんかしたこともなかった独身の兄妹が、50代も過ぎてから、11歳の女の子を引き取って育てようなんて、確かに無茶だよ。どうせ育てるなら、男の子の方がずっといいという気持ちもよく分かる。それでも、女の子が望んだから。ここにいさせてくださいという女の子の必死の願いをむげに出来なかった彼らが、不器用にも一生懸命育てていく子育て記録みたいなものでしょ。

マリラやマシュウがどんな想いで少女をかわいがって育てていったか、アンの存在が、彼らにとってどれほど大切だったか、すごくよく分かる分だけ、そちらの視点で見た方がよほど感動的だった。児童文学と言うよりは、大人に読ませるべき小説なのかも知れないなあ、と思いました。いい話です。

このまま続けて、続編の方も読んでいくつもりなので、そちらは初めて読むし、すごく楽しみです。アンのその後がどうなったのか、昔からずっと知りたかったのですよ♪