星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「アンの愛情」 ルーシー・M・モンゴメリ

小説・一般41.「アンの愛情」 ルーシー・M・モンゴメリ 新潮文庫

アンがレドモンド大学に進学して過ごした4年間の日々だけれど、正直、非常に読みづらかったし、思いの外、読むのに時間もかかった。アヴォンリーを離れて、町での生活を始めたせいかもしれないんだけれど、なんかこう、田舎の素朴な人々の生活ぶりを描いていた1作目、2作目に比べて、あんまり笑いながら楽しんで読めるところが少ないんだわ。なんだか淡々と都会での生活ぶりを描いているみたいで・・・。

あと、個人的には新キャラとして登場してきたフィルみたいな性格の女の子があんまり好きになれなくて、最後まで彼女の描写が辛かったですね。一応、彼女は最終シーンに一番いい見せ場を作って、いいとこ取りをしましたけど・・・。これをやられてしまっては、彼女を責めることはもう出来ないかな・・・みたいな。

アンとギルバートが、最終的に結婚することは周知の事実だったので、どういう風にくっつくのか、楽しみにしていたのに、全然ロマンチックな雰囲気にならず、アンが意に反して冷たい態度ばかり取るものだから、かなりじれったかったし、気を持たすにもほどがありますよ。

まあ、この時代、若くして結婚する人が多いんだから、そんなに若い女の子たちが、男たちに求婚されて、全くとまどわないわけがないし、思いあまって断ったり、辛く当たってしまったりというのは、よくある光景なのかも知れないけどね。心情的には分からなくもない。

なんにせよ、1巻かけて引っ張ったけれど、最後でうまくまとまって、めでたい限りです。ほっとしました。

おまけだけれど、ダイアナはこの巻で結婚して、子供まで生まれちゃったみたいだから、物語からの出番はかなり少なくなったみたいですね。ルビー・ギリスなんか死んじゃったし・・・。こうやって、アンの子供時代からのキャラクターが、どんどん成長したり、環境が変化したりしているのを読むのは面白いです。本当にその世界があるみたいで、続編を読む醍醐味を感じますね。続きも楽しみです。