星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「母をたずねて三千里」第14話

第14話「マルコの決意」

「なんだって? この間の移民船に乗って、アルゼンチンまで行こうとしただって?」とマジでお父さん、びっくりしてますが、冒頭からいきなり二人の顔のアップとその会話で始める演出が面白いなあ、と思いました。

お母さんが心配だから、ぼくを行かせてよ・・・とお父さんに交渉するマルコだけれど、お父さんは却下。どうしても行かせてくれません。この辺でまず、「あれれ?」と思ったんだけれど、私の記憶の中では、お父さんはちゃんとマルコを認めてくれて、「お母さんのところまで気をつけていくんだぞ」と船に乗せて送り出してくれたような気がしたからなんだ。あるいは、それは原作の方だったのかも知れない。

アニメの方では、誰もわかってくれないなら、もうこれしかないとばかりに、とうとう密航までしちゃいましたが、船に勝手に乗り込むのを見て、「えええええっ? こういう話だったっけ〜??」とパニックを起こしました。

いや、確か、原作は違う。違ったと思うんだけどなあ。ただまあ、確かに密航しちゃった方が、ドラマチックにはなるよね。私が見ていても、ハラハラしましたもの。今にも、見つかるんじゃないか? 見つかったら、どうなるんだろう? って、ドキドキものでしたよ。

一方で、マルコの家出にまだ気づいていないお父さんは、うちで「いくらなんでも、遅いな、マルコ・・・」などと悠長だし、雨が降ってくる演出もいいなあ、と思いました。密航者を防ぐために、隠れられそうな場所にはきっちりシートがかかっているから、はずれないし、中に潜り込むことも出来ない。雨に打たれながら隠れ続けるマルコで、次回に引いちゃいましたが、おかげで続きが気になって仕方がありませんよ。後で見ますけど・・・。

船会社のジーナおばさんが、マルコの母親を思う気持ち、アルゼンチンに行く船に乗りたいという気持ちを聞いて、胸元のロケットの中から写真を見せて、「私の死んだ夫は船乗りだったのよ」と語るところが良かったです。たったそれだけの描写で、ジーナおばさんは味方じゃないとマルコがとっさに判断したところが上手いなあ、と思いました。