星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「空の境界」上巻 奈須きのこ

小説・一般24.「空の境界」上巻 奈須きのこ 講談社文庫

だいぶ前に買って、ずっと積んでいた小説なんだけれど、劇場版を1作目だけ見たことだし、思い切って読んでみようかと封印を解いた。

思いの外、グロい小説で、結構残酷な殺人描写とか出てくるし、なんだか菊地秀行の小説を思い出した。これが今の若い子に受けているとするなら、私の年代の人間が10代から20代の始めぐらいの頃、せっせと菊地秀行を読んでいたのと似たようなものかな〜と思ったんだけれど、違うかな。

加えて、この小説にはなにげにラブストーリーの要素まで入っているし、こう、ナイフを振り回している主人公の女の子を見ていて、「Kanon」の川澄舞を連想した。どっちが先かは知らないけど、なんだか彼女たちがナイフだの剣だのを振り回している姿にどこか痛みを感じるのと、それをなにげに横から見ていて、彼女を助けようとしてくれる男の子のキャラが実にいいんだわ。 

黒桐いいよ〜。すごくいいよ〜。アニメ版を見たせいで、鈴村の声で聞こえてくるのがなおポイント高かったな〜。

小説として普通に読むには、文章がちょっと荒い気もしたんだけれど、元は同人誌らしいし、ライトノベルなんだと思えば、こんなものか? 解説の綾辻さんによれば、館シリーズみたいな叙述トリックまで入っているらしいし、物語がどういう落ちを迎えるのか興味があります。

順次、続巻も読んでいく予定。続きも楽しみです。