星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「青い文学シリーズ」第8話

第8話「こゝろ」後編

素晴らしい。手放しでほめるよ。さすがに本気のマッドハウスは、クオリティが違うなあ。と思った。

視点をKの側から描くと聞いたときに、こういう話になるんだろうなあ、という予測はついていたものの、逆の視点からの心理表現が、また全然違う描写になると言うのが、すごく面白かった。

前にも書いたけれど、Kのキャラデザの良さが引き立っている。一見、つり目で大柄で怖そうにも見える一方で、視点をちょっとずらすだけで、眉毛が垂れ気味の分だけ、どこか自信なさそうな臆病そうな神経質そうなキャラにもなるんだなあって。その描きわけが素晴らしかった。

疑心暗鬼故に、相手を信じられない。お互いに相手をどこか怖がっている。こちらが相手を怖がっているのと同じくらい、相手も自分を怖がっているんだって、そう言う人間心理を見事に描いていると思います。

これで4話構成だったら、お嬢さん側の視点、お母さん側の視点も見てみたかったなあ、と思いました。物語の別の真相も明らかになりそう。たぶん、作り手側はそこまで考えて、描写したんじゃないかと思うので。

こういう物語構成は、マンガや小説では、いろいろ見たことがあるんですけど、アニメで描かれたのは、珍しいんじゃないのかな? そういうテレビアニメの進化に感動。よかったです。

こうなると、次回の「走れメロス」も期待していいかな? あの原作をどういう風に料理するか、楽しみですよ。次回を待ちます〜。