星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

ミッシェル・オスロ監督「アズールとアスマール」

映画21.ミッシェル・オスロ監督「アズールとアスマール」(フランス・06)

ミッシェル・オスロ監督作品は、以前見た「プリンス&プリンセス」が思いの外よかったので、この作品も8月にNHKで放送されたときに録画しておいたのだけれど、今まで時間が作れなくて、見損ねていました。で、実際に見て、しまった! と思ったのは、この録画分は、「字幕スーパー版」だったこと。つい最近、NHKでもう一度、放送があったとき、てっきり内容が同じだろうと思ってて、録画を見送ったんだけど、そっちは「吹き替え版」だったみたいで、この内容なら、「吹き替え版」を見た方がよかったよ・・・。と思って、後悔した。

というのも、内容は、ヨーロッパの貴族の息子、アズールが、イスラム系の乳母に、彼女の息子、アスマールと一緒に育てられ、やがて、二人は、イスラムの国に渡って冒険をすると言うもので、そう言う内容だから、キャラクターのセリフが、フランス語とアラビア語(たぶん)が、混在しているのですよ。

フランス語でしゃべった方には字幕がつき、アラビア語でしゃべった方にはつかないという構成になっているんだけれど、見ていて、これがわかりにくい。

私の耳には、フランス語もアラビア語も同じような「あちゃら語」にしか聞こえないし、区別がつかないんで、字幕版は、かなり不便なものだった。

と言うわけで、この作品をこれから見ようという人には、「吹き替え版」の方を勧めておきますよ。フランス語なりアラビア語なりがある程度わかる人ならともかく、そうでないなら、吹き替え版の方が、親切なんじゃないのかな? と思うので。まあ、ふたつを見比べたわけではないので、一概には言えませんが。

内容としては、お話が云々よりも映像センスがすごいなあ、と思いました。フランス人の描くイスラム世界が興味深かったです。あと、お話のぶっ飛び方もすごくって、これでいいのか? と思ったけど、こういうのは、海外アニメのセンスって、日本のとは違うなあ、という感じがしました。

いろいろ関連サイトを見たら、フランスにおけるイスラム系移民の話がいろいろ書いてあったので、それを読んで、多少なり納得するものがあった。まあ、差別問題を描いていると言えば、そんな風にも見えるからね。ふたつの世界を知っているものが強いという部分には、共感するものがちょっとだけあったと思います。みんなに向かって絶対オススメ!と言うほど面白かったわけでもないけど、見てよかったとは思ってます。

http://www.ghibli-museum.jp/azur/