星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「壬生義士伝」下巻 浅田次郎

小説・一般18.「壬生義士伝」下巻 浅田次郎 文春文庫

これは素晴らしかった。読んで外れなしのオススメ!! 今年のベスト1は、間違いなく、この作品でしょう!! と、周囲に向かって触れ回りたくなるくらい、気に入りました。いや、いい作品を読んだと思ってます。

真の男の生き様を見せてもらった。家族に対する思い。友情。愛と優しさ。義に生きるというのは、どういうことなのか、いろいろ教えられました。特に、吉村貫一郎の、その死に様は、あまりに痛々しくて、辛くて、その分だけ、息子のためにそこまでやった姿に、感動しましたよ。

あと、その父親の後を追った息子の姿も、何故彼がそこまでしたのか、ようやくわかるラストシーンも、泣かせました。優しい少年が、どうして? と言う疑問が解けるところ。

構成の妙もあり、それから50年後の大正時代から振り返る幕末、という語りぶりも非常に効果的でよかったです。

どこから切って、どの場面を取っても名作。手放しでほめてもいい。すごい作品でした。