星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「夜間飛行」 サン・テグジュペリ

小説・一般28.「夜間飛行」 サン・テグジュペリ 光文社古典新訳文庫

それでも、夜の闇に向かって、次の飛行機が飛び立つ。どんなことがあっても、どんな事態になっても、それは決して、とぎれることなく続いていくのだ・・・。という、そのイメージがかっこよかった。

まだ黎明期の飛行機乗りと、飛行機乗りを支える男たちの物語。これは素晴らしかった。特に、冷徹なまでに厳しい命令を下すリヴィエールが、とても魅力的なキャラになってます。このおじさんがめちゃくちゃいいんだわ。

サン・テグジュペリというと、「星の王子さま」の作者としてしか知らなかったけれど、こういう黎明期の飛行機乗りとして、数々の危機を乗り越えてきた冒険家というか挑戦者としての一面も持っていたんですね。だからこそ、こういう命がけのドラマの生々しさも、リアルに書けるんだろうなあ、と思った。著者のほかの作品も読んでみたくなりました。光文社さんがまた出してくれることを期待します。

飛行機乗りテーマの物語として、万人が読むべき名作だと思います。オススメです。