星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「獣の奏者」第2巻王獣編 上橋菜穂子

小説・一般30.「獣の奏者」第2巻王獣編 上橋菜穂子 講談社文庫

http://book.akahoshitakuya.com/b/4062764474

↑どうでもいいんだけれど、このべた褒めラッシュが、どうしても気に障る。いや、確かに全体としては面白かったと私も思ってはいるんだけれど、ここまでみんなして「面白かった」「いい作品でした」「素晴らしかった」などと褒めちぎらなきゃならないかね〜? とどうしても思ってしまうのだ。特に終盤の展開は、かなり無理矢理じゃなかったか? と個人的にちょっと思っているので・・・。

よかった点としては、リランとエリンの交流部分。リランを救いたい、自由に生きさせてやりたいとするエリンの想いにリランが応えてくれたあたり、なかなか感動的だったと思います。特に、ラストでリランがエリンを救うところがよかったし、そのまま終わってしまう展開も、結構気に入ってます。

逆に悪かった点としては、終盤の展開はかなり強引に見えたというか、セィミヤが、ダミヤからシュナンに心変わりした過程がよくわからなかったことかな。伏線だけ貼ってあった血と穢れ(サイ・ガムル)についても、もっと丁寧に描くのかと思っていたのに、ラストでいきなり出てきただけで、ちょっとがっかりした。その辺は、シュナンの弟であるヌガンについてもせっかくの設定を生かし切れておらず、もっと動かして、暗躍させるべきだったんじゃないか? という気がする。

これで最大限にまとめて終わらせたと言えばそうなのかも知れないが、なんだか「え?これで終わり?」とつい思っちゃった部分というのは、否めないような気がする。続編があるなら、そちらの方に期待したいと思います。文庫化を待ちます。