星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「パーム26 愛でなくXII」 獣木野生

コミック65.「パーム26 愛でなくXII」 獣木野生 新書館ウィングスコミックス

「あちこちで環境保全の必然性が叫ばれている今、環境問題に無関心であることには気が引けます。でも私は、積極的に行動することには気乗りがしませんでした」
「なぜわたしが生活を変えたり、自分の時間を割いたり、時には不愉快な思いをしたりというリスクを背負ってまで、祖先のおかした間違いや自分が始めたわけでもない破壊のために、自分を犠牲にしなければならないのか?」

「自分は普通の人間で、何も悪いことをしていないのに」

「普通の人間、何も悪いことをしていない。これほど私たちを安堵させる言葉はありません。責任はほかの誰かにある。問題を起こしたのも解決するのも、ほかの誰かに違いない」

「でもわたしが遅ればせながら気づいたことを本会議参加者の方々はとうの昔に知っていらしたのではないでしょうか?」

「つまり私たち一般の人間がどのように環境破壊に荷担し、助長するかということに」「しかも、私たちは気づかない」「何が起こっても決してそれが自分のせいだとは思わない」

「自分たちが邪悪な存在だと、誰が喜んで受け入れられるでしょうか?」「しかし、人間として普通に存在することが、すべての汚染や環境破壊、多くの死滅を招いている以上、このことは否定できない」

「直接的に戦争や差別や環境破壊を起こす人々は、大きな自信を持ってこれを行うことが出来る」「彼らは、私たちがそれに対して何もしないことを知っているからです」「そして無言のうちに彼らを受け入れ、手を貸してきた我々は、潔白だと言えるでしょうか?」

「私たちがこの世界にこれほどの影響力を持っている限り、中間の立場などは存在しない」「ある行動に対してイエスと言わない限りそれは否定となり、ノーと言わない限りそれは肯定になる」「そして破壊に対してイエスと言い続けてきた私たちは、明らかに有罪です」「私たちは悪い」

「もし今、私たちが邪悪であることを認め、邪悪でないものに変わらなければ、私たちはまもなく自分たちの惑星を滅ぼし、破壊した惑星に殺されるでしょう」

「環境保護の推進がどれほどの犠牲を伴うものだとしても、今償うチャンスを逃して、一体我々に何が残るのか?」

「自分を守りながら、この問題と向き合うことは出来ない」「これだけ多くのものを破壊してきたのだから」「私たちはどんな償いでも出来る」「なぜなら既に有罪なのだから」

(「愛でなくXII」p60〜64,シド・キャロル)