小説・一般41.「樹上のゆりかご」 荻原規子 中公文庫
進学高校を舞台に、脅迫めいた事件が次々と起こり・・・と言う展開は、なんとなく恩田陸の作品を思い出した。主人公よりひとつ年上の、魅力的なんだけれどちょっと怪しげな女性が出てくるからかもしれない。
主人公が彼女に惹かれていく過程と、二人で「サロメ」の解釈で盛り上がるシーンは結構好き。気持ちはよくわかる。
「ハッシャバイベイビィ」というマザーグースの歌は、英語の歌詞を見て、ああ、この歌、歌えるなあ。と思った。中学生のとき聞いていた英語教育のラジオ番組で、いつも「マザーグースの歌」を流していたから。よくよく聞くと怖い歌詞。風が吹いたら、枝が折れたら、ゆりかごが落ちる。赤ちゃん、もろともに。
少しダークな雰囲気をも漂わせながら、その分魅力的な高校時代のつかの間の日々。「サロメ」を読んでみたくなりました。
- 作者: 荻原規子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/03/23
- メディア: 文庫
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