読書24.「TPP亡国論」 中野剛志 集英社新書
TPPについて勉強したくて読んでみたが、あんまり参考にならなかった。TPPがどういう内容で、条約を結ぶとどんな弊害が起こりうるのか、詳しく知りたかったんだけれど、少なくとも、この本にはそれがあんまり具体的には書かれていない。
この人は、TPPがどうこう言う以前の問題として、自由貿易自体に反対しているようだし、特にデフレ下では自由貿易よりも公共投資の方が大切という持論を延々と書き連ねている。その論もあんまり説得力があるようには見えないし、どうにも論説の展開の仕方が強引で、結論ありきで自分の考えを延々と語ったあげく、「だから」TPPはよくない。と言っているようで、微妙に信用できない。
私自身の立場としては、TPPについてはよくわからないので、賛成でも反対でもないのだけれど、だから勉強しようと思ったのに、微妙な本をつかんでしまったという印象。
私は元々、経済産業省が大嫌いなので、経産省出身と言うだけで、この人がどうにも信用できないのかも知れない。議論がいろいろ出ている時に、引っかき回す意味で登場しただけじゃないのか? と言う気がして、なんか気味が悪い。
ただ、日本の農業は守られるべきだという、その点に関してだけは賛同します。その部分を考えると、もっともっと勉強していきたいんだけれど、とりあえず、この人の本は、もういいや。と思いました。
- 作者: 中野剛志
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/03/17
- メディア: 新書
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