第6話「紅葉狩り」
前話を見たあたりから、ずっと考えていたんだけれど。弁天様は、矢三郎の父親、総一郎が好きだったんじゃないだろうかと・・・。好きだったのに、食べちゃったから、もういない。だから哀しいんだと。そう言っているように聞こえた。彼女の涙は、失った人を悼んでいる涙なんだろうなあ。と、そう思った。人知れず、井戸のところで泣いている。カエルしか見ていない、井戸に向かって、涙を落としているのだと・・・。
少し前の回で、「どうして、そんな大事なものを簡単にあげちゃったりするんですか!!」と、問い詰められた赤玉先生が、「まだ、わからんのか、馬鹿者!! 喜ぶ顔が見たいからじゃ!」と言い返していて、それって、普通に聞けばエロジジイの戯言に過ぎないけれど、もしかしたら、実は言葉通りの意味で、弁天様は、心から喜んだ顔を、見せたことのない人なんじゃないだろうかと。そんな気がした。
過去に何があったのか、弁天様と総一郎の間に、どんな出会いがあって、どんな物語があったのかは知らないけど・・・。
弁天様の哀しみの理由を、赤玉先生は知っているんじゃないだろうか? だからこそ、彼女にだけは、めちゃ甘いというか。しかし、元々、彼女を気に入って、連れてきたのは、実は赤玉先生だと言うし、この辺の三角関係も、どこか辛いものがある。
好きだからこそ、食べてしまいたいのです。と言うセリフは、昔、夢枕獏の小説で、よく読んだフレーズだなあ。と思って、妙に懐かしかったりする。「キマイラ」シリーズには、そんなことばかり書かれていたしな。あるいは、原作者も、夢枕獏のファンだったりするんだろうかと、そんなことを思いました。
次回からは、新展開があるみたいだから、続きも楽しみにしてます。次回を待ちます。
- 作者: 夢枕獏,三輪士郎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/08/24
- メディア: 文庫
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