星の原休憩所

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「夢みる惑星」第2巻 佐藤史生

コミック38.「夢みる惑星」第2巻 佐藤史生 小学館文庫

1巻でも2巻でも、解説の人がセリフが素晴らしいとほめているんだけれど、読んでいて、私もそう思った。無駄なセリフがひとつもない。こんなに見事なものだったとは・・・と、今更気づいて、びっくりした。昔は、よくわからなかったと言うことなのか。

災厄の危機を谷の新官たちだけが知っている。一刻も早く遷都をしないと、人類存亡の危機だというのに、人びとを説得するすべがない。

ありとあらゆる手を用いて、谷の人びとが動いていく。我々に足りないのは時間だと。谷と敵対する人びとにもあえて情報を与えていく。少しでも味方をつくらなければならない。

都にもいろんな人びとがいて、更に彼らを取り巻く部族がいて、世界が構成されていて、その細かい設定を見ていくだけでも非常によくできていて、感心する。

しかし、「日本沈没」を読んだときにも思ったけど、ここでは、役人も政治家も、ちゃんと民を守ろうとしていると言うところが感動的で、むしろ、民衆の方が自分勝手な言い分で、彼らの足を引っ張る存在として描かれている面もある。一面、それもあるにしても、なんだか溜息ものなのも確かだ。

夢みる惑星 (2) (小学館文庫)

夢みる惑星 (2) (小学館文庫)