第14話「オルゴールの秘密」
「負けたって、あなたは意気地なしじゃないわ」
フェンシングで勝負だ! とか言い出したときは、どうなることかと思いましたが。そりゃ、だって、実力の差は明らかだし、勝てるわけないじゃん。と言う状況で。それでも、とっさに、負けて倒れた方の少年に駆け寄るのが乙女心というもので・・・。
この逆転劇は、気持ちよかった。なるほど。勝てばいいと言うものじゃないんだな。勝てない相手にも勝負を挑んで、やれるだけのことをやってみせれば、見ている人にはちゃんとわかるんだわ。たった一本でも取れれば、それでよかった。
一方、試合に勝って、勝負に負けた。というのは、こういう状況をさすのか。相手側の少年の方が逆に気の毒に見えたよ。
いやみったらしい少年役が、飛田さんの声に見事にはまっていて、よかった。しかし、このままで終わらないところが、名作劇場で・・・。
最後の別れのシーンで、彼もちゃんと告白したしね。「オルゴールを壊したのは僕だ」「だから、ルーペルトじゃないんだ!」このシーンが、なかなか感動的。これを言うのには、勇気が要っただろうに。
正直な告白と、それによる許しが、見せ場をつくってくれました。いい話だった。いかにも名作劇場っぽい展開だけど、素直に感動しました。よかったです。