星の原休憩所

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「地球ナンバーV7」第2巻 横山光輝

コミック43.「地球ナンバーV7」第2巻 横山光輝 大都社スターコミックス

シンプルな物語なんだけれど、なにげに頭脳戦になっているところが、横山光輝っぽいと言うか。「バビル2世」でもそれを感じたけど、要するに、敵側は、ディック牧に刺客を送っておいて、彼の戦いぶりを横からVTR撮影して、記録していたというのね。

その録画映像を利用して、超能力者はこれほど危険な存在なんだと、議会に訴え、彼らを規制する法律を作る。秘密裏に超能力者狩りがはじまり、捕まった人間は、食事を与えられず、餓死するようにし向けられるという。

こんなことになるとは、誰も思わなかったと。みんなが口をそろえて言うのが、印象的で。

使い勝手のいい駒として、利用されるだけ利用された超能力者が、今度は迫害されていく。

戦術としては、割と基本的な手口なんだろうし、あるいは、ネットで見かける挑発のやり口もこれと同じなのかも知れない。相手を怒らせて、戦いを仕掛けて、どう反応するのかチェックして、都合の悪い部分を取りだしてみんなに見せて、世論を煽るやり方でしょ。

もともと静かに暮らしていただけのディックたちを戦いに巻き込んで、とうとう地球から脱出しなきゃ行けないところにまで追い込んでいく。

そういう巧妙なやり口を少年漫画という手法で、早くから子どもたちに示して見せたという功績は大きいかも知れない。世の中、そう言うものかも知れないし、なるべく、乗せられたくないものです・・・。