星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「屍鬼」第2巻 小野不由美

読書2.「屍鬼」第2巻 小野不由美 新潮文庫

「室井さんは、本当にロマンティストなのね。絶対的な正義ってもの、理想ってものを貫きたがっているみたい。絶対的な正義とか理想って、神様の別名よね?」

「室井さんは、神様を信じているのよね。それに奉仕したいと思っている」「けれども誰も、室井さんの信じる神様を信じていない。それを確認するたびに、室井さんは実は神様なんかいなくて、それは単に自分が固執している価値観でしかない、誰もが持ってる多様な価値観のひとつでしかないと悟るんだわ。それは神様じゃない。室井さんは、その度に、神様を見失ってしまう」

再読なので、改めて、気づいたこととしては、静信が書いていた小説の内容と、沙子との会話の意味が、やっと少し読み取れるようになってきたと言うことかな。昔読んだときには、よくわからなくて、スルーしたような気がする。

神様に見放されていると感じる、静信の心の闇。禅問答のようなやりとりが、結構、人間心理の深いところを語っているようで、面白かった。

屍鬼〈2〉 (新潮文庫)

屍鬼〈2〉 (新潮文庫)