星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

クリント・イーストウッド監督「ヒア アフター」

映画17.クリント・イーストウッド監督「ヒア アフター」 (アメリカ・2010)

アメリカの映画なのに、「縁」の概念を入れてきているところが、何か不思議な感じがした。欧米の感覚でも、そういう人と人のつながりの奇蹟、みたいなものを信じるのは、東洋の仏教と同じなのだろうか? それをDestinyと呼ぶのかどうかは知らないけど。

3つの場所で別々に繰り広げられるドラマが、最終的に重なり合い、出会いと別れを繰り返す。双子の兄を失った少年の物語が胸を打ちました。死者となった兄からのメッセージ。「お前はずっと僕を頼っていた。そして、都合が悪いときは、僕のせいにした」それが結構、響くものがあって。

いろんなドラマが収まるところに収まった点で、感動的。いい作品でした。

冒頭に津波のシーンがあるけど、これは本当に怖かった。水が向かってくるところ、飲み込まれるところが生々しい。日本での公開は、2011年2月だったらしいけど、途中で打ちきられたのは理解できるところ。津波の被害者にはとても勧められないけど、ただ、傍観者だった人は見ておくといいと思います。自分に降りかかったときのことを、可能性として体験しておくために。