読書4.「モンテ・クリスト伯」第7巻 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫
「生きるのだ! いつかお前は幸福になり、生命を祝福できるような日に会えるのだ」
どんなに今が絶望的な状況でも、そんな未来は必ず来るから、「待て、しかして希望せよ」と言う。そのセリフに感動しました。
こうして最終巻までたどり着いて思うのは、これはいわれているほど、伯爵の復讐物語ではなく、罪あるものには必ず神の裁きが下るという、キリスト教的な物語なんだなあ、ということで、伯爵は、裁きの執行者として神に選ばれただけではないのか? 仏教なら「因果応報」と言う言葉が当てはまるだろうけど、やったことに対しては、必ず報いがあるという。
伯爵でさえも、自身の復讐心からやったことに対して、無関係なものまで殺してしまったという後悔の念のかたちで、神から相応の罰を受けた。その罪を背負いながら、彼はこれからも生きていくんだろうなあ。と思う。とはいえ、となりにエデがいるのが、彼に与えられた神様からのご褒美というか、報償なんでしょうね。幸せになってね。と祈らずにはいられない。きれいなラストシーンでした。