星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

庵野秀明監督「シン・ゴジラ」

映画12.庵野秀明監督 「シン・ゴジラ」 (日本・2016)

当初、見に行く予定はなかったんだけれど、ネットで評判がいいみたいなので、夫も行く気になったみたいで。せっかくだから、ふたりで行ってきました。

評判どおり、非常に面白かったです。正直、全然期待してなかったんだけど。まさか、庵野監督にここまで社会派のドラマが撮れるとは思ってなかった。

エヴァ」というより、「パトレイバー」の匂いがして、昔の押井監督が作りそうな映画だと思いました。まさに、危機管理シミュレーション。怪獣が襲ってきた場合、どういう対応になるか? という仮定のSFとして、よくできてました。

役所とか、政治家の反応ってまさにこんな感じなんだろうなあ。というリアリティがあって、会議室でのやりとりと、その後で流されるテレビ報道とか。震災の時の状況を思い出して、身につまされるものがありましたよ。この映画がどこまで現実に即しているのかは分からないんだけど、ある程度は、やっぱりちゃんと調べてあるんだろうなあ。と思うし。

まあ、新幹線や在来線を使った特攻とか、ゴジラに口から注入剤を飲ませるとか、マンガチックな場面をチラッと入れるところが、庵野監督なんだろうなあ。と思った。あと、登場時のゴジラの目がいっちゃってて、みょうなかわいさ、ひょうきんさがあるところとか。

そういうのを含めて、面白かった。怪獣映画とはいえ、実際にゴジラが暴れるシーンは、少なめに作ってあるので、子供向けではないだろうなあ。と思う。大人が小難しい会話を延々繰り返す話だから、小さい子供を連れていくような映画ではない。せめて中学生か、高校生以上推奨だし、なるべく大人に見てほしい映画だと思う。ゴジラ襲来は絵空事としても、国家規模の災害時の対応というのがどういうものか見ておいても、悪くないと思うので。