星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

ビル・コンドン監督 「美女と野獣」

映画21.ビル・コンドン監督 「美女と野獣」 (アメリカ・2017)

字幕版を視聴。昔のディズニーのアニメ版もかなり前に見たはずだけれど、内容はほとんど覚えてませんでした。

だから、どこまで今回の実写版がアニメ版に忠実なのかがわからないんだけど・・・。

アニメ版を実写化したというよりは、ミュージカル版を映画にしたような感じで、映画というよりも演劇風味でしたね。冒頭からみんなで歌うシーンが入るし、ダンスシーンのあと、全員がピタリと動きを止める演出とか、どちらかと言えばやっぱり劇ですよ。アニメ版にそんなシーンが入るのかどうかが覚えてないし、機会があれば、アニメ版も見直してみたいところ。

映像としては、非常に美しくて、素晴らしかったんだけれど、どうにも物語的に何かが引っかかって、もやもやしてます。

私は多分、最初に振られ役として登場したガストンに、必要以上にうっかり感情移入してしまったからじゃないかと。ベルが「あんな人、いや」みたいなことを言うんだけど、「なんで??」と思っちゃって、「人は彼女を変わりものだと言うが、そこがいいんじゃないか」と言って、彼女の存在価値を認めているガストンって、実はいい人なんじゃないの? と、思っちゃったんですよ。

そもそも、ガストンとベルの関係がよくわからないし、ガストンみたいながさつな男は嫌だと言っているベルが、野獣の方ならいいと選んだのは、やっぱり王子様だからなのか? という風に見えるし、男は顔じゃなくて、身分ですか?? と、どうしても思っちゃうじゃないですか。

ガストンを悪役に見せるために、そのあといろんな演出が入るけど、そもそも、この人が落ちていったのは、ベルが彼を振ったからじゃないか? という気もするし、自分を振った女が、他の男とイチャイチャしていれば、やっぱり腹立つよな~という見方をしてしまったので、どうにも物語が素直に楽しめなくて困りました。

逆に、野獣がベルを気に入ったのは、性格というよりも、やっぱり美人だから。だし、自分たちの呪いを解いてほしいという打算まで入っている。

美女と野獣が結ばれたのは、お互いの利害が一致したからで、彼女は王子様と結婚したかった。彼は呪いを解いてほしかった。美人なら、なお、よし。

一人で馬鹿を見たのは、ガストンのみ。で、彼がなんだか、気の毒で、これって、素直にいい話だとはとても思えないよね。と思ってしまったのでした。

家具にされていた召使いたちは、みんな良かったです。アニメと融合しても違和感のないところがすごい。最近の実写映画は、非常に良くできていて、その点は、素直に感心してます。