星の原休憩所

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「坂の上の雲」第3巻 司馬遼太郎

読書17.「坂の上の雲」第3巻 司馬遼太郎 文春文庫

いよいよ、日露戦争勃発。そこにいたるまでの状況の説明と日英同盟を結ぶまでを丁寧に解説してくれて、参考になった。ロシアの南下の脅威。朝鮮半島が南北に分裂したのは、朝鮮戦争の結果だと思っていたが、もともと半島の北半分を欲しいと言っていたのは、ロシアだったし、それでは困るというのが日本側の言い分。英国の干渉は話がうますぎるほどのものだったが、イギリスとロシアのどちらを信用するかにあたって、それぞれの国の外交史を調べたというのが印象に残った。

イギリスは条約をきちんと守るが、ロシアは守らない。平気で条約を破ることが過去に何度もあった。そういう国だし、この場合、ロシアは、圧倒的な大国で、日本など簡単に蹴散らせると思っていた。まさに、窮鼠が猫を噛んだのが、日露戦争だったんだなあ。と思う。追い詰められた小国のネズミとして、ロシアという大猫に対抗しなきゃならなかった。そのための必死の下準備が、すごいと思う。先人たちの努力を垣間見たかたち。