軍国主義、全体主義の流れが強くなる中、そこに逆らってまで、青年たちの自主自立のための塾を開きたいと頑張っていた人々がいたことに感心した。
何も考えずに、命令に従い、国のために死ぬことだけが大事だと、そんな教育方針が叫ばれる中で、自分で考え、自分で決めることというのは、そんなに罪悪なものなのかと。国というのを会社に置き換えれば、今だって、そんなには変わってないんじゃないかという気もする。
非常に気になるところで終わってしまっているが、続きを読みたかったと思う。ことに、道江の問題は、どうなったのか? 次郎から手紙を受け取った恭一はどうしたのか、気になるじゃないですか~。ここだけは決着をつけてほしかったな~。次郎の告白シーン、見たかったのに。作者が死んでしまったので仕方ないけど、その点だけは非常に残念です。