星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

読書

「丕緒の鳥」 小野不由美

読書19.「丕緒の鳥」 小野不由美 新潮文庫 一言で表すなら、「公務員は頑張ってますよ」4作品。民の知らないところで、国のためにどうすればいいのか思い悩み、頑張っている役所の人たちがいるという話。どれも考えさせられる深い話で、よかったです。私た…

「風の万里 黎明の空」下巻 小野不由美

読書18.「風の万里 黎明の空」下巻 小野不由美 新潮文庫 ずっと別々に語られていた3人の少女の物語が、最終的に一つにまとまる。その気持ちよさ。小説としては、よくある手段なのかもしれないが、それでも、ラストシーンの陽子の初勅に、今までの物語に描か…

「風の万里 黎明の空」上巻 小野不由美

読書17.「風の万里 黎明の空」上巻 小野不由美 新潮文庫 これも、初版以来の再読。3人の少女のうち、私が引っ掛かったのは鈴の物語で、今、読み直しても、いじめられていた女の子に、いじめていた人間の気持ちをわかってやれ。というのは無茶だろ? という…

「東の海神 西の蒼海」 小野不由美

読書16.「東の海神 西の蒼海」 小野不由美 新潮文庫 初版以来、26年ぶりに再読。初読の時よりも、今の方が実感を伴って読むことができたと思う。まず、斡由のような自分の失敗を認めることができないタイプというのは、実際に世の中に多いんだと今はわかる…

「風の海迷宮の岸」 小野不由美

読書15.「風の海迷宮の岸」 小野不由美 新潮文庫 泰麒、かわいいよ、泰麒。もう、それがすべてで表せられるというか、泰麒のかわいさにひかれて、気分は女仙。かわいい泰麒を見守りつつ、彼がお嫁に行くまで育て上げた気分。幸せになってね。という想いでい…

「月の影影の海」下巻 小野不由美

読書14.「月の影影の海」下巻 小野不由美 新潮文庫 陽子の長い旅も、ここでとりあえずは終了。読んでいるこちらも一緒に長い旅をした気分。再読なので、もろもろの種明かしにびっくりすることはないけど、なにしろ、すごく丁寧に異世界の設定を作ってあるの…

「月の影影の海」上巻 小野不由美

読書13.「月の影影の海」上巻 小野不由美 新潮文庫 初版の時、読んで以来だから、28年ぶりに再読。昔、読んだ時も、ひどい話だなあ。と思ったけど、今、読んでも、やっぱりひどいと思う。とはいえ、この容赦なさが、この作品の魅力のような気もする。人間…

「魔性の子」 小野不由美

読書12.「魔性の子」 小野不由美 新潮文庫 いい加減、「十二国記」の続きを読もうと思って、この際、最初から読み直すことにしました。で、30年ぶりに「魔性の子」を再読。前に持っていた本は処分してしまったので、新装版を買いなおして、読んだけど、特…

「鹿の王 水底の橋」 上橋菜穂子

読書11.「鹿の王 水底の橋」 上橋菜穂子 角川文庫 思いっきりネタバレですが・・・。 何はともあれ、ミラルとホッサルがハッピーエンドでよかった!!

「カモメに飛ぶことを教えた猫」 ルイス・セプルベダ

読書10.「カモメに飛ぶことを教えた猫」 ルイス・セプルベダ 白水社白水Uブックス 「飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと願ったものが、全力で挑戦した時だけだ。ということ」 それが一番大切なことだと、物語はしめくくり、その言葉が一番自分的…

「人間の土地」 サン・テグジュペリ

読書9.「人間の土地」 サン・テグジュペリ 新潮文庫 郵便飛行の歴史には詳しくないので、主人公たちが、どこからどこへ向かって飛んでいるのかが、よくわからなかった。サハラ砂漠を超えるからには、ヨーロッパからアフリカ方面に向かっているのだろうか? …

「かもめのジョナサン」 リチャード・バック

読書8.「かもめのジョナサン」 リチャード・バック 新潮文庫 有名タイトルだけど、内容は知らなかったので、初めて読んで、こんな変な話だったとは! と思って、困惑している。(PART4を含む完成版を読みました。) ネタバレ有りで書くけど、ジョナサンが変…

「イザベラ・バードの日本紀行」上巻 イザベラ・バード

読書7.「イザベラ・バードの日本紀行」上巻 イザベラ・バード 講談社学術文庫 漫画「ふしぎの国のバード」を読んだ勢いで、原作(と言っていいのかな?)を読んでみる。非常に丁寧に描写された明治日本の情報に感心する。旅をしながら、よくもまあ、こんな詳…

「鹿の王」第4巻 上橋菜穂子

読書6.「鹿の王」第4巻 上橋菜穂子 角川文庫 地球規模の視線で見れば、人間は細菌みたいなもので、国と国との争いごとも、一種の病なのか、怪我なのか、捕食なのか。そうやって、食ったものも食われたものも、いろんな形に変化していく。そんなことを考えま…

「鹿の王」第3巻 上橋菜穂子

読書5.「鹿の王」第3巻 上橋菜穂子 角川文庫 病気との戦いの物語だと思っていたが、もっとマクロな視点で、病気を人為的に起こさせるように働く、後ろ側で糸を引くものが存在し、故郷を追われた人間たちのそれぞれの想いがつづられていく。国が侵略され、今…

「鹿の王」第2巻 上橋菜穂子

読書4.「鹿の王」第2巻 上橋菜穂子 角川文庫 「命あるものはみな、いずれ死にまする。大切なのは、与えられた命をいかに生きるかであって、長短ではござりませぬ」 このセリフを見た時に、手塚治虫の「ブッダ」や「火の鳥」「ブラックジャック」を思い出し…

「鹿の王」第1巻 上橋菜穂子

読書3.「鹿の王」第1巻 上橋菜穂子 角川文庫 疫病の蔓延した世界、が舞台と聞いていたので、このタイミングで読んでみる気になった。第1巻では、まだ病気が冒頭にしか出てこないので、状況説明と登場人物の紹介という感じだけど、さすが上橋先生の世界観の…

「キノの旅−the Beautiful World−」第13巻 時雨沢恵一

読書2.「キノの旅−the Beautiful World−」第13巻 時雨沢恵一 電撃文庫 10年ぶりに「キノの旅」を読む気になって、続きから読んでみたものの、毒気が強すぎて、なんだか後味が悪い作品ばかりで、あんまりおもしろいと思えなかった。

「ジャン・クリストフ」第2巻 ロマン・ロラン

読書1.「ジャン・クリストフ」第2巻 ロマン・ロラン 岩波文庫 自分の主義主張を正しいと信じて、周囲に言いふらし、みんなを機嫌悪くさせて、どんどん追い詰められていくクリストフの姿が、あまりに痛すぎて、少しは周りの空気読めよ、お前・・・とこちらは…

「ジャン・クリストフ」第1巻 ロマン・ロラン

読書33.「ジャン・クリストフ」第1巻 ロマン・ロラン 岩波文庫 小学生の時に、子供向けの簡略版を読んで好きだったので、中学生の時に、図書室で借りて、完全版を読んだことがあります。その時も、読み終えて、面白かったという印象が残っていたので、40…

「カストロとゲバラ」 広瀬隆

読書32.「カストロとゲバラ」 広瀬隆 集英社インターナショナル新書 キューバ危機について、勉強したくて読んでみました。なぜ、そういう状況に陥ったのか? と。いろいろ歴史が詳しく書かれていて参考になります。カストロとゲバラについても、名前を知って…

「次郎物語」下巻 下村湖人

読書31.「次郎物語」下巻 下村湖人 新潮文庫 軍国主義、全体主義の流れが強くなる中、そこに逆らってまで、青年たちの自主自立のための塾を開きたいと頑張っていた人々がいたことに感心した。 何も考えずに、命令に従い、国のために死ぬことだけが大事だと、…

「山本五十六」 半藤一利

読書30.「山本五十六」 半藤一利 平凡社ライブラリー 山本五十六の名前は聞いたことがあったけど、どんな人かは全然知らなかったので、勉強になった。太平洋戦争についての知識が足りなくて、なかなか読み進むことができなかったが、ようやく読了。この本は…

「次郎物語」中巻 下村湖人

読書29.「次郎物語」中巻 下村湖人 新潮文庫 第3部、第4部を収録。次郎も中学生になって、だんだん、深く物事を考えるようになってきた。いろんな出来事から、人間を学ぶ機会が増えて、読んでいるこちらも一緒に勉強させられている気分になる。 この作品っ…

「次郎物語」上巻 下村湖人

読書28.「次郎物語」上巻 下村湖人 新潮文庫 「次郎物語」は第5部まであるのだけれど、上巻では、とりあえず、第1部と第2部を収録。この物語は、小学生の時に第1部の簡略版を読んで、感想文を書いた記憶がある。完全版を読みたくて、中学生の時、図書室…

「北風のうしろの国」 ジョージ・マクドナルド

読書27.「北風のうしろの国」 ジョージ・マクドナルド ハヤカワ文庫 子供のころ以来の再読。子供のとき読んだ本は、子供向けの簡略版だったので、今度の本は、完全版だろう。と思う。昔、読んだ時は、こんなに長い本ではなかった気がするし、途中に挟まれる…

「ベトナム戦記」 開高健

読書26.「ベトナム戦記」 開高健 朝日文庫 少し前に読んだ本の何冊かに、やたら開高健の名前を見るし、そう思っていたら、古本屋にあったので、これも何かの縁だ。と思って、読んでみた。 けど、ベトナム戦争には詳しくないし、どこがどうなって、南北で戦っ…

「ポセイドン」下巻 ポール・ギャリコ

読書25.「ポセイドン」下巻 ポール・ギャリコ ハヤカワ文庫 これは素晴らしかった! 文句なく、非常に面白かった。特に、ラストの落ちが秀逸。 以下、ネタバレ注意。 ラストシーンで、彼らが助かるだろうというのは予想の範囲だったものの、まさか別のグルー…

「ポセイドン」上巻 ポール・ギャリコ

読書24.「ポセイドン」上巻 ポール・ギャリコ ハヤカワ文庫 有名な映画版は、新旧とも未見。だけど、この本は、有名な映画の原作だからではなく、あくまで、ポール・ギャリコの作品だから、手に取ったつもり。思いのほか、面白いので、あとで、映画版も見て…

「国境のない生き方 私をつくった本と旅」 ヤマザキマリ

読書23.「国境のない生き方 私をつくった本と旅」 ヤマザキマリ 小学館新書 最初のうちこそ、この作者の体験してきたことに「すごいな~」と感心しながら読んでいたけど、だんだん、ただの自慢話のように見えてきて、最終的には、「そんなんで、人生、楽しい…