星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「藍より青し」第二十一話「風気」

実は最初のうちこそ、「葵ちゃんが風邪を引いて倒れるなんて設定は、ありきたりで安直じゃないか?」と思いながら見ていたんですが・・。
特に、葵ちゃんの代わりにみんなで家事をやろうと言い出すところとか、葵ちゃんがいつもこんなに大変なことをやっていたのか・・とか気づく展開は、お約束とは言え、平凡すぎるし、今日の話はイマイチかも? と思っていたんだけど・・。

いやあ、最後まで見ていたら、やっぱ思わず感動させられちゃって・・。(^^);
しつこいようだけど、雅さんがいい味を出しています。葵ちゃんの代わりに家事をやる薫の様子をじっと見つめていたこと。そうして、お粥づくりの方法を一見厳しい口調で指示しつつも、最後には彼にそれを託す。

「葵様のお粥を作るのは、私の役目だったんですけどね」
「これを持っていってください」
そうしてお粥と一緒に、雅さんが薫に託したのは、葵を見守りつつずっと育ててきた自分の役割のすべて。
その言葉の裏側に、「貴男に葵様を任せます」という信頼の証が見えていたから。
だからこそ、「今夜はずっとおそばについていてあげてください」のセリフがあるわけで、最初の頃、「絶対に許しませんからね!」と言っていた彼女もそうやって変わっていったんだなあ・・と、その気持ちがこちらにちゃんと伝わる演出がいい。

昨今のアニメはどうも不自然な会話や展開が多いんで見ていられない作品が多いんだけど、この作品はほとんど違和感がなく、展開もスムーズなんで見ていても気持ちがいいです。(まあ、時々変な回もあったけど)
多分、下田監督のまとめ方が上手いんだろうと思いますね。感心しました。