星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「機動武闘伝Gガンダム」第7話

第7話「来るなら来い!必死の逃亡者」

初期の「Gガン」に強く感じるのは、「もう後にはひけない」というとことんまで追いつめられた悲壮感と、しかし、それでもなお「俺は負けない」「立ち向かってみせる!」という強い意志ですね。

ガンダムファイターとして、それが俺の運命!」みたいなことをくり返し、語っているんですが、そういうセリフからは、スタッフがこの作品を作るにあたって置かれていた立場・・みたいなものが、妙にリンクしている気がするし、そのせっぱ詰まった感じこそが、逆にこの作品の魅力になっているような気がするのです。

今回もタイトルからして「来るなら来い!」だし、「必死の逃亡者」ですからね。

チコ・ロドリゲスは追いつめられていた。不治の病に冒された妹を抱え、国家からは追われ、ひたすら追っ手から逃げ、時には殺し、隠れ続けて生活していた。
そんなチコに対して、ドモンはけっこう冷たい態度をとる。

「辛い運命を背負っているのは、自分だけだとでも思っているのか?」
「今度は、妹までおいて逃げるのか?」
そこまでいわんでも・・と思うようなことまで言って、最後に「死ぬ覚悟で生きろ!」と言う。

そうやって、逃げ切ったチコが「海のおかげで俺は生まれ変わったような気がするんだ」と妹に語るとき、妹が返す言葉が重い。「じゃあ私も、海で死んだら生まれ変われるのね?」その言葉と、海に沈んだガンダムを写して、物語は終わってしまう。
これでは、救いになっているのかなっていないのかわからない。
逆に、安易な救いなんか描かないからこそ、そこにリアリティがあるのかも知れない。

どんなに頑張っても変えられない運命もあるという・・。だけど、それでも人は生きていかなきゃいけない。
この悲壮なメッセージは、確かにもともと富野作品が持っていたものだし、今川監督が、自分なりのガンダムで見事にそれを継承しているのがわかるだろう。

【補足】
ちょっと筆がのって書きすぎたけど、ドモンのセリフ。正確に書くと
「運命をそのまま受け入れるつもりか? 立ち向かわなくてどうする? ジーナと共に生きろ!」
です。勝手に解釈していろいろ書いちゃったけど、ニュアンスが変わっちゃいますね・・。すいません。(^^);

【補足2】
この物語にチボデーが出てくるのは、やっぱ話が重くなりすぎるからバランスをとるためですかねえ?