星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「オーバーマンキングゲイナー」第5話

第5話「シベリアに光る目」

今回のテーマは「父親を殺したのは誰か?」という問いかけですね。ヤッサパ隊長の大人の男としての力強さに「父親」のイメージを強く感じます。だからこそ、脚本も最初の段階で、あえて「お父さん」という言葉を連呼させているのでしょう。
彼が辻占いの少女を助け、インダスへと去っていくラストシーンには感動しました。ここで終われば本当に名作劇場の世界だと思ったのに、そういう意味では最後の1カットはちょっと残念でしたね。エクソダスというシステムに殺された・・。システムに殺されることだってある・・。そういうテーマを描きたかったのはわかるんだけど・・。彼らには幸せになってほしかったから。

次回へのつなぎにするためなのかもしれないし、富野らしいといえばそうだけど。まあ、まだ本当に殺されたかどうかわからないし、次回登場の新キャラに期待します。

それにしても、本当にこの作品のキャラクターはみんな前向きですね。
逃げたヤッサパ隊長を追い回す町の人々のエネルギーには感服します。さすがはエクソダスしようとする人々というか、みんな積極的に攻撃に出る。少なくとも怖いからといって閉じこもったり、知らんぷりをするようなタイプではない。

とはいえ、注目は、そう描いておいて、本当にそれが正しいのか? という問いかけをも物語が含んでいることでしょう。
ヤッサパ隊長に向かって、人々は家々の窓から花瓶などを投げてぶつけているけど、これって、漫画チックにかかれているから思わず笑っちゃうけど、描きようによってはかなりひどい行為だと思う。みんなでよってたかって、一人を追いつめているから。

エクソダスというシステムに殺されるということ。
よく考えてみると、けっこう奥の深いテーマを語っているような気がするから、この作品は侮れませんね。続きが楽しみです。

おまけだけど、ゲイナーを油断させて脱出した手口とか、部下に殺される寸前に金をばらまいて逃げ切ったやり方とか、ヤッサパ隊長、お見事です。バカみたいなキャラに見えて、実はバカじゃないところがかっこいいよなあ。すてきでした♪