第１５話「ダイヤとマグマの間」
見事な脚本でしたね。今回は高山治郎さんの回。
ゲイナーとシンシアのゲーム式のデートに初登場のカシマル部長が絡んでくるくだりなど、つながり方が見事で感心。他にもいろいろあげればきりがないほど、エピソードのからみかたが上手い。物語というのは、こういう風に作るべきなんだろうなあと思って、本当に勉強になりました。
この場合、「ダイヤ」というのは、人間側の管理するがちがちの運行表を指し、一方の「マグマ」とは荒ぶる自然の代表格。その狭間に「人間」という存在があること。それを少し考えさせられたかな。
それにしてもカシマル部長はいいキャラだ。「ダイヤを守るためには人の命だって惜しくない男だ」という設定部分に惹かれます。宝石のダイヤと運行表のダイヤを引っかけてある言い回しもステキです。
こういう卑怯者っぽいキャラの登場は、壺を愛するマ・クベに近い美意識を持っているようで、富野作品らしいですね。しかも、敵ながらそこまで徹底したやり方を貫くと、かえって魅力を感じてしまうと言うのも不思議な話ですが・・。
「すべて私のダイヤ通り・・」しかも、バカじゃないところがまたいい。こういう幅の広いキャラを作れるところはさすが富野監督です。いや、本当に感心しました。
