第16話「奮戦、アデット隊」
毎度「キングゲイナー」は作品としてのレベルが高いなあ。それとも、本来ならこの基準が当たり前なのに、他が低すぎるんだろうか?
今回のテーマは「幻」だけど、この場合、要するに「幻」というのは人の「本音」に対する「建て前」を表現するための象徴ですね。本音を隠すためにみんながみんなそれぞれの立場で虚勢を張っている。その「虚勢」こそ「幻」に過ぎない。よくよく見ていけば「幻」である「虚勢」は消えて、その人の「本音」が見えてくるはずだ。そんな話でしたね。
全体的にギャグ展開で笑えたけど、本当に深いテーマを語っています。
今回はテーマがまじめすぎるために、それこそ反転的にマンガチックにオーバーアクションで笑わせるように物語を作ってあるけど、それこそ作り手側の作る「幻」でしょう。
本音はものすごくまじめな部分にあるんだけど、それは読みとる側の意識次第で、そんな説教なんかどうでもいいから楽しみたい人にはそれでもいいという作りになっているのでしょう。この構成力がさすがです。