星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「NieA_7」第11話

第11話「にあ・あんだーせぶんの湯(前編)」

諸行無常。万物は流転するのです。
なくなってしまうかもしれない「荏の花湯」といなくなってしまった「ニア」を見事に引っかけてあると思う。そこに当たり前にあると思っていたものが消えていく瞬間。

そこにあって当たり前だと思っているものも、いつか消えていってしまうものです。今の現実だって、いつか壊れるんです。それが「平和で暖かな」風景であればあるほど儚い。
そういう切ないような苦しい気持ちを見事に表現していると思います。

何しろ、「赤字経営」をさんざん物語のメインに据えてきて、ギャグのネタにしていたわけだから、「土地ごと売却の話」がいかにキャラクターたちにとって重いか、よくわかる作りになっています。

ニアというのは、やはり「ネコ」の誇張表現でしたか。コトミさんのセリフがそれを証明したかな? 「死期を悟るといなくなってしまうんだってね」とまあ、物騒なセリフを言うんだけど、人間ならもっともっと心配するだろうところを「そのうちひょっこり帰ってくるんじゃない?」と片づけられてしまうのは、やっぱネコだからなんでしょう。

わざわざ「ネコじゃないんですから」と言わせているけど、それも引っかけですね。

しかし、この展開なら、あの宇宙船が最後に飛び立つんでしょうか? それがラストシーンを飾るのかな?

飛び立つ宇宙船は未来への可能性を暗示している。それが傾いたままなのは、主人公たちがまだまだ中途半端であり、落ちこぼれだからなんでしょう。そういう意味まで込めてあるんだと思います。違うかな?

ところで、「ほら」と言って、ジュースを差し出すちあきちゃんとそれをまゆ子が受け取るシーン。何となく好きです。
「そんなこと気にしなくったっていいんだよ」とあっけらかんと言っちゃう彼女がとても好き。

変わっていくものもあるけど、残るものもあるんだよなあ。そんなに心配し過ぎなくても・・。