星の原休憩所

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CDドラマ「十二国記・夢三章」

■CDドラマ「十二国記・夢三章」

メインの聞き所は、やはり第2章の「姉妹王」なんだろうけど、個人的には今ひとつかな。小野不由美書き下ろしだと聞いたけれど、できれば小説で読みたかったな。

と言うか、姉妹の気持ちが両方とも上手く伝わらなくて、困っちゃった。
無神経で情けない姉と見栄っ張りの妹。どちらにも感情移入できる要素が全然ない。

美貌がそれほどまでに違う姉妹だというのなら、そこには互いに対するコンプレックスやそれによる葛藤が生まれるものだと思うのだが、その点にほとんどドラマが触れてこないので・・。
自分より美人の妹なんて、むしろ遠ざけたいものだと思うんだが、そうでもないのかなあ? だからこそ、女という女を国から追い出そうとしたとすればつじつまが合うのに・・。

あと、舒覚が景麒を気に入った理由って、結局「顔」なの? 顔だけなの?
妹視点で描かれているから、姉の気持ちが上手く描けなかったのかも知れないけど、このままじゃ単なる面食いなんですけど・・。

逆に舒栄が舒覚を憎んだのが、何でもできる自信がある自分を差し置いて、情けない姉の方を景麒が選んだから・・と言うのならわかりやすいと思うんだけど、そういう展開もあえて避けていますね。
なんだか各エピソード同士のつながりが悪いようで残念でした。

でも、ラストシーンの「刀の中に懐かしい人の姿を見た」というセリフは、小野不由美っぽい感じがしてよかったと思います。二人の演技はさすがベテランの二人(藤田淑子さんと小山茉美さんだ)だから、大迫力だったし。すごい組み合わせだよなあ。
しかし、「ごめんなさい。ごめんなさい」と謝る陽子はやっぱり嫌だったけどね。(^^);

第1章「八麒麟」は泰麒ファンへのサービスですね。声優さんのファンにはいいかも?
第3章「地に獣」は、このCDの中では比較的いい話だなあ・・と思いました。「乗月」に続くちょっとしたエピソードという感じだけど、テーマ的にそんなに重い内容でもなく、本編の軽い番外編でしたね。このエピソードをふまえて、7月からの新シリーズに続きます・・というところでしょうか。