星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ASTRO BOY 鉄腕アトム」第12話

第12話「よみがえったジャンボ」

・・・寂しかったのは、ジャンボじゃなくてミドリ先生の方だったんだね・・。

素直に、いい話でした。個人的に気に入ったのは、ジャンボがミドリ先生を危うく踏みつぶしそうになる描写が入っていたこと。この場合のジャンボは「鉄人28号」と同じで、要するに、コントロール装置さえ奪われてしまえば、悪にもなりうる危険性を秘めているということ。この場合、アトムが助けなければ、ミドリ先生は確実に踏みつぶされていたわけだから・・。

ロボットをただの道具として見てしまうか、友達として見ることができるかは、結局、人間次第と言うことなんだと改めて思いました。
先日の朝日新聞に載った「キノの旅」短編「安全な国」でも書かれていたけど、「危険なもの」があるわけじゃない。「危険な人間」がいるだけなんだ。と、言うことですね。

私はあっさり、「電光」も「フランケン」も危険だから破壊すべきなのでは? という意見を書いちゃったけど、それは「狂った機械は破壊されるべきだ」という「キカイダー」の問題ともリンクして、つまり私はロボットを友だちとしては見ていないんだなあ・・という事実に今更ながら気づかされて恥ずかしい気分になってきたのでした。

「金星ロボット」など、あんな危険なロボットをあっさり海に帰しちゃっていいのかなあ? と、実はこっそり思っていたのだけど、そういう考えでは、ロボットと友だちにはなれないし、結局のところ、私は彼らを怖がっているだけなのかも知れない。

今回は、スカンクの「子どもは新しいおもちゃに夢中になると、すぐ古いおもちゃを捨ててしまう」というセリフが、見事にテーマに絡んできて、ジャンボに対するノスタルジーとリンクしたところが見事だと思いました。

使い方によっては、かなり危険であるロボットたちを許し、共存していこうとするお茶の水博士の理想論も、実はそれだけ懐が広いのかも知れない。ロボットと共に生きるというのは、そういうことなんだと。

そこまで考えてみて、意外とこの「平成アトム」はいろんな意味で傑作になるかも知れないなあ・・と、改めて感心しました。今のところ、本当にダメだと思った回は、「フランケン」ぐらいだし、他の話数にはおおむね満足しています。こんなに完成度が高いTVシリーズも今時、珍しいという気がします。つくづく・・。