星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「プラネテス」第3話

第3話「帰還軌道」

うう、ラストシーンのタナベのセリフを聞いていたら、マジで涙が出て来て困っちゃった。
「だって、この人は帰ってきたんですよ!」「何故、奇跡が起きたと思います?」

タナベのセリフは、あまりにも感情論的に過ぎるし、理屈で考えたら本当に滅茶苦茶な言い分だけど、それでもその気持ちだけはよくわかる。彼女の叫びを聞きながら、本当に奇跡は起きたのかもしれないなあ・・と何となく思った。そう思わせてくれただけで、今回のストーリーには満足です。

タナベの性格は理想主義的に過ぎる部分がありありと出ていて、ちょっと恥ずかしいほどなんだけど、ある意味、羨ましい性格です。あんなにはっきりと言いたいことを言えるなんて・・。(^^);

この作品は、アニメと言うよりは、純粋に人間ドラマとして物語を描こうとしているんですね。だから、キャラクターも背景も非常に写実的な描写をとっている。各キャラクターが人間の役者さんだとしてもさほど違和感のない演技をしていると思うので・・。

それでいて、私がドラマよりもアニメの方が好きなのは、人間の役者でやるとどんなに見事な演技をしていてもそこに「嘘くささ」が見えて、「演技をしているんだなあ」というのを感じ取ってしまうので、物語に素直に入りづらいからなんですよね。(これは「特撮」でもおなじこと。)
だから、アニメとして役者を絵で描いてしまうか、いっそ舞台演劇としてこれは演技なんだと見せつけるように描いてくれた方が好み。基本的にその中間にあるドラマや映画は非常に苦手なんだ。

その点で「プラネテス」は非常にいい位置にいると思います。
多分、ドラマとして人間の役者でこの物語を描こうとしても「ウソ」の部分が強すぎて、視聴に耐えない作品になったと思うので。そこを「アニメ」という表現方法を用いて、感動的なドラマに仕立てたのは、本当に上手いやり方だと思います。TVアニメとしての幅を広げたというのは間違いないかも? こういうやり方もありなんですね。感心しました。