星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ジャイアントロボ THE ANIMATION」最終話

最終話「大団円〜散りゆくは美しき幻の夜」

まずは前言撤回。鉄牛、生きてました。(^^);
あそこで死ぬにはもったいないキャラだとは思ったけど、生きていて、今度は立派に大作くんを導く役目を果たしています。こうしてみると、この物語は、鉄牛の成長を描くものでもあったんですね。子供のようだった男が、一人前の大人の男として少年を支えるようになると言う・・・。

「こんな恐ろしい遺産を父親に勝手に手渡され、どうする? 貴様ならどうするつもりだ? 答えろ!ジャイアントロボ? いや、草間大作?」
幻夜の嘆きは、そのまま草間大作に引き継がれる。父親から譲り受けた「恐ろしい遺産」とは、幻夜にとってはサンプルだったけど、大作にとってはジャイアントロボそのものだったから・・・。

それは将来的には、大作くんが幻夜と同じ道を歩むかもしれない事実を暗示している。父親の遺した言葉の意味を受け止め損ねると、そうなるかもしれない。深読みすれば、それは我々が先祖から受け継いだ遺産「原子力」をそのまま暗示しているとも言えるだろう。

「幸せは犠牲なしに得ることは出来ないのか? 時代は不幸なしに超えることは出来ないのか?」

次の世代こそは・・正しく生きて欲しいと願いながらも、人類の過ちの歴史は繰り返されていく。だから、ラストに語られる言葉は「だが、闘いは続く」なのだ。これで終わったのかどうかはまだ誰にも言えない。まだ、なんの答えも出ていないのだと・・・。 「GR計画」とはなんなのか? 明確には示されてはいないが、それを想像することは出来る。

ジャイアントロボ」は、決して草間大作一人のものではない。草間博士が何をやっていたのか、何を息子に託したのか、本当に博士を信じていいのか・・・。それらがあかされていないからだ。

コミック版によると、地球静止作戦とは、全てのシズマドライブが停止し、エネルギーが完全に静止した一瞬、そのとき唯一エネルギーが発生しているポイント、そのバベルの塔の位置を知るための作戦である。孔明はそれをずっと探していたわけだけど、そういう裏設定をアニメ版ではいっさい明かさなかった。明かさなかったと言うことは、この物語にそれは必要がない、と判断したからなのだろう。語られるべきことは、すでに言い尽くしてあるので・・。