星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「名探偵ポワロとマープル」第2話

第2話「安マンションの謎」

今回は、メイベルの職と住居探し。なんとなく「魔女の宅急便」を思い出した。

メイベルの食い下がりを非常識だと非難するのは簡単だけど、私は逆だと思う。職が欲しいのなら、そこまでやって担当者に自分のやる気を見せなきゃダメ。断られてもなお、「どうしてもやりたいんです。お願いします!」と繰り返し頭を下げて、自分を売り込んでみせてこそ、初めて職を得ることが出来る。世の中ってのは、そういうものだと思う。

少々弱いと言えば、むしろその点。後半展開では、メイベルの活躍がほとんど見られず、探偵助手として一生懸命やっている姿が、まるでクローズアップされなかったこと。一応、そんなメイベルの姿をポアロさんが観察しているカットはあるんだけど、音声なしのシーンだからわかりにくい。

この物語の展開ならば、メイベルが事件の解決に一役でも買って、「ほう。この子は、意外と使えそうじゃないか?」とみんなに見直される瞬間がなきゃいけないし、それでこそ「じゃあ、あなたを雇いましょう」という話になるのが自然だと思うんだけど。

後半のスパイ云々の話は、説明が長くていっそ邪魔だと思う。たいした謎解きでもないから、とっとと終わらせて、犯人逮捕まで持っていけばよかったのに。変なはったりをわざわざ手間暇かけて仕掛ける理由が見つからない。

特にイギリスではロビンソンという名前がどのくらい「よくある」ものなのか日本人にはわからない点が、謎解きのポイントとしては弱かったかな。「鈴木」「田中」みたいなもの? 住人入れ替えはすぐにわかったけど、「名前はどうして一致したんだろう?」とつい思ってしまったので。「ロビンソンという名前はいくらでもある!」という答えはちょっとあんまりだった。

この調子なら、ポワロさんはメイベルのお父さんに連絡を入れていますね。保護者に連絡がいかないわけがない。あるいは、メイベル採用の裏ではお父さんがポアロさんに頭を下げて「娘をどうかよろしくお願いします」と頼み込んだのかもしれない。何も知らないのは娘だけということで・・・。
そういうカットが1シーンでもあれば、世間知らずの娘に対する親心として戒めになったのにね・・と思いました。なかった点が残念です。