星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

Studio Life 「トーマの心臓」

かなり前にNHKのBSで放映した分を、今頃ですが、初めて見てみました。

評判通り、素晴らしい出来。泣きながら見ました。(;_;)
脚本と演出の倉田淳氏は女性だと初めて知りました。男ばかりの劇団だと聞いていたので、てっきり男の人だと思っていたんだけど。(^^);

細かいシーンのセリフのほとんどがほぼ原作通り。一部には、役者さんの立ち位置やセリフのタイミングまで原作に忠実にあわせてあったので、すごく嬉しかったです。

特にオスカーがバッカスにつかみかかるシーン。「あんたがそんなことを言うとは思わなかったよ、バッカス! あんたらしくもない!」「俺らしいさ。この上なく俺らしいよ。俺が心配しているのはね、お前のことだよ、オスカー」このシーンのタイミングが、本当にそのまま。(実は、こっそりバッカスのファンなので、このシーンは好きなの)

劇のオリジナル部分で印象に残るのは、レドヴィの出番が思いの外多いと言うことかな。
「僕はほぼ半年の間、ずっと考え続けていた・・・。僕の生と死と、そして一人の友人について」原作でおなじみのこのセリフを、劇中で何度も繰り返すけど、ここに描かれる友人というのは、原作ではもちろんユリスモールのことをさしているんだけど、舞台で別の役者が唱えると、別の意味を持たせることが出来るんだなあ・・・と、感心しました。
そういう意味で、罪人としてのレドヴィにとって、トーマとはどういう存在だったのか、改めて考えさせられました。

それと、シュバルツ氏がエーリクのことを「私の息子だ」と語るときに、ミュラー校長がそばにいるのもポイントが高いかな? 「あの子が私を許してくれた」というセリフを校長先生が隣で聞くの。涙が出そうになる。

男性の役者しかいないという点、女性役はどうするんだ? と思いましたが、ユーリの母親とおばあさま役は本当に男性が演じてました。あと、トーマの両親が登場するシーンでも母親役は男性。でも違和感はなかったです。
ちょっと一安心なのは、さすがにマリエ夫人やエリザベートは出てこなかった点かな? 彼女たちまで男性が演じたらさすがにまずかろう。ぎりぎりまで出てくるんじゃないかと思って、ドキドキしましたが・・・。(^^);

http://www.studio-life.com/studio-life/2003/toma/index.html