Karte07「白いライオン」
ずいぶんとまあ、子供向けにアレンジしてきましたね。原作はもっと短いストーリーなんだけど、小学校低学年向けというか、下手すると幼児向けにかわいくわかりやすく直したみたい。
監督の手塚眞さんのサイトを見たんですが、
>演出の狙いは、まず未就学児と小学生にアピールすること。次に母親を含む女性、中高生。ここまでは、ほぼ予定通り。
>それから大人、その後アニメ・オタク、最後にハードな手塚ファン、という順でアピールしてゆく予定です。お楽しみに。
と、書かれていたので、方向性としては間違っていないでしょう。だから必要以上にシャラクが出てきてピノコと絡むんだな。子供の視点で描くことを目的としているので、ギャグも子供向けなんでしょう。
でもまあ、私が初めて「ブラックジャック」を読んだのも小学生の時だったし(でもって、ものすごく怖かったんだけど・・・(^^);)、最初に接する手塚マンガが「ブラックジャック」というのも悪くないかも知れません。ついでに「三つ目」も読んでくれれば、一石二鳥だ。(^^)♪
随所に「ジャングル大帝」ファンを意識したサービスがあったので嬉しかったです。冒頭のレオの形の雲とか、動物園の中にムーン山らしき山が見えたりとか。
ピノコのエピソードをどうするのかと思ったけど、なんとなくでごまかしちゃいましたね。でも、そういうエピソードを無理に入れるよりも、単純に「普通の身体にして、故郷に帰してやろう」と諭す方が、小さい子にはわかりやすいんじゃないのかな? ルナルナをペットのようにかわいがるピノコの気持ちはよく伝わったので、視聴者の子供たちがピノコと一緒に「ルナルナも故郷に返してあげないとかわいそうだよね」と思わせることが出来たら、演出の勝ちでしょう。
欲を言うなら、そこから動物園とはなんなのか? 子供たちが考えるきっかけになってくれれば嬉しいです。それでこそ、「ジャングル大帝」に描かれていた問題とも繋がるしね。(^^)
ラストの「子供の絵を見せる」シーンもなかなか感動的でした。よかったです。
【参考】「手塚眞の絶対の危機」
http://tzk.cocolog-nifty.com/blog/